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『日本の美徳』瀬戸内寂聴、ドナルド・キーン

e0171821_10055521.png日本文学研究者のドナルド・キーンさんが亡くなられた
まぁ、96歳という高齢だったので天寿かとは思いますが、東日本大震災後に日本国籍を取得され、日本という国と文化を深いところで愛されていた方が亡くなられたのは残念。

たまたまLITETRAというサイトを見ていたら、この本のことが出ていたので直ぐに本屋さんに…。
昨年の7月に出された本で、瀬戸内寂聴さんとキーンさんは同じ歳だったのですね。
青春時代に日米両国に分かれて太平洋戦争開戦を体験し、終戦後から今日に至るまで共に”日本文学”という領域に身を置いてきたお二人の対談はお互いの知友も多く、面白いものでした。
谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫との交流の話など、実に興味深いことばかり。

「日本人になったから言わせてもらうけど…」と、昨今の日本の政治のあり方についても、かなり辛辣な批評をしています。
一番驚いたのは、代議士の会に講演に行ったところ、とある代議士が「これから旧仮名遣いに戻し、憲法も改正する」と自慢げに語ったとのこと。
「私は冗談かと思いました」と語りながら浅薄な改憲論に異議を唱えています。

大体、昨今の国会議員の知的レベルで旧仮名遣いが使えるのかね?
中学生レベルの漢字だって、まともに読めない大臣がゴロゴロいるのに…。

心の底から日本の風景と文化を愛されたキーンさんを喪ったのは、日本にとっても大きな損失です。と、同時に「国を愛する」ということはどういうことかを問いかけてくれる本でした。
合掌!



by dairoku126 | 2019-02-27 10:39 | | Comments(0)

『日本人はどこから来たのか?』海部陽介

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国立科学博物館の人類学者・海部陽介によるアフリカで生まれたホモ・サピエンスがグレートジャーニーの末に日本列島までたどり着いた仮説を検証するプロジェクトは、NHKでも紹介されましたが、文庫化にあたり2016年に始まった「3万年前の航海」実験の成果を踏まえた章が追加された中間報告的なもの。
詳細は、国立科学博物館のホームページでご覧いただけます。

この本は、実に良くまとまっています。

従来の「人類の祖先は海岸沿いに移動した」という説によれば、日本人の祖先は太古、海面が低かった陸続きの時代に歩いて日本列島にやってきた、と考えられていた。この定説に疑問を抱いた、海部を中心とする「国立科学博物館人類史研究グループ」は、ユーラシア大陸全体より出土した遺跡のデータを集め、その年代と、そこより出土した人骨のDNAを、地図上に再現した。

その重層的な調査の結果見えてきたのが、日本人の祖先はユーラシア大陸の北と南、さまざまなルートをたどって日本にやってきた、という事実。そして最終的に「対馬ルート」「沖縄ルート」「北海道ルート」の三つの入り口から日本列島に到達したことが明らかにされていく。

そのとき、対馬はすでに海峡であり、沖縄は列島であった。

すなわち、最初の日本人は、歩いてではなく「航海」によってこの日本列島にやってきたのだ。38000年前、われわれの祖先は、偶然の漂流によってではなく、強い意志を持った世界最古の航海者として、日本列島に移住してきた。

この彼の仮説が、学術的な検証を踏まえながら、実に分かりやすく綴られて行きます。

いやぁ、このプロジェクトに僕の知人が何人も絡んでいること、そして国立科学博物館がクラウドファウンディングスという新しい手法で実験費用を集めたことなど興味深いことばかりです。今年の本格的な実験が待ち遠しい限り。




by dairoku126 | 2019-02-24 21:53 | | Comments(0)

『最悪の将軍』朝井まかて

e0171821_16583087.png「犬公方」と揶揄された5代将軍・綱吉の話です。
歴代の徳川将軍のなかでも、どちらかというと評判の悪い方に分類されてしまう綱吉ですが、この本を読んで「おや?」っと思ってしまった。そこら辺が朝井まかての巧みなところなのかも…。

3代将軍・家光の4男として生まれた綱吉は、兄達が亡くなることにより思いも寄らぬ将軍職に就くことに…。
それまでの綱吉の生活は、京都の名家・鷹司家から嫁いだ妻・信子を中心に、家光の愛妾だった母・桂昌院や側室に生ませた子供たちと和気藹々の日々を送るものだった。
兄の4代将軍・家綱が亡くなった時も館林藩主として、三兄・綱重の子に将軍家を継がせるつもりであったとか。
いざ将軍となるや、父・家光が「尚武」な気風を尊んだのに対し、綱吉は「文化」を重んじる将軍を目指し、「文治政治」の将軍家を築こうとガラリと施策を変えてしまう。

実権を大老から取り戻し、奢侈の禁止、鷹狩りの禁止など新しい施策を打ち出して行く。
その最たるものが後世に綱吉の悪評を決定的に「生類憐れみの令」と言われるもの。

また、綱吉の時代は「赤穂浪士」をはじめ有名な事件・天災が非常に多いのですね。
大地震に続き、富士山まで噴火しているし…。
この本の面白いところは、綱吉の施策の根底にあった「平和を希求する願い」を描きながら、現実の社会との乖離や官僚達が勝手に「忖度」してねじ曲げてしまう姿に苦悩する綱吉を描いているところです。
コンセプトは良かったのになぁ…とプレゼンで言われてしまうアレですね。

実は、主人公は綱吉では無く、妻の信子や母の桂昌院ではないか?と僕は読みながら思い続けていました。この二人が実に魅力的に描かれている。
「最悪の将軍」という諧謔的なタイトルも、読み終えてみるとニャっとさせられる。


by dairoku126 | 2019-02-23 17:47 | | Comments(0)

今週も、メインテナンス。

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今週末も、相変わらずメインテナンス作業。
先週に汚れを取ったカヌー”KaiWi”をボルトで繋いで完成形にしてから、マリーン用のワックスで磨き込みます。
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昨日、ホームセンターで見つけたCRCのマリーン用。
通常の「5-56」ではなく、「6-66」といいう名前なんですね。
6並びというと、愛着が湧きますね(笑)
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こちらは、ヤクを自分のペースで仕上げるハッチ君。
こういった作業は、大人数でやるよりコツコツとマイペースでやった方が捗ります。
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磨き込んだカヌーは、ここまでキレイになりました。
鏡のように周辺のものが映るほどに…。勿体なくて海に下ろしたくない。
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さて、いよいよ2艇目に入りました。
激オチ君で汚れや細かいキズを落とした後は、ケルヒャーの水圧で汚れを吹き飛ばします。
先週は消防士のユリが腰の座った放水姿を見せてくれましたが、今週はユミコさんが挑みます。なんとなく、腰が引けてる感じ(笑)

自分たちの手でカヌーをメンテすることは、カヌーを大切に扱うことにも繋がります。
明日は、2艇目のハル(カヌー本体)の残りとアマヤクですね。

by dairoku126 | 2019-02-23 16:45 | アウトリガー | Comments(0)

今年も、健診終了!

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年に一度の、健診が何事も無く終了!
まぁ、結果が送られて来ないと詳しくは分からないけど、経年劣化したところは仕方が無いので…。消化器検査は、通っている内科で内視鏡検査をするので受診せず。
バリウムを飲まないだけで、検査時間も短くなるしね。
受付時間より早く行ったのに、それでも15番目。
昨夜9時から飲まず、食わずだから早く終えたいと誰もが思うのでしょうね。

視力も右1.2、左1.0と変わりなし。
乱視があるので、細かい活字の本には眼鏡が必要になってきたけど劣化が止まっている感じ。
水平線など遠くを見ることが多いからなのかな?

後は送られてきた検査結果を毎月の内科検診に持って行けば、先生がすべてチェックしてくれるでしょう。まぁ、やっとくに超したことは無いから…(笑)

by dairoku126 | 2019-02-21 13:44 | 生活雑感 | Comments(0)

昨夜は、テナー祭り!

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昨夜は、なんと4バンドの共演となりました。
スケジュールを取った時には、我々だけのはずだったんだけど…。
ということで、全バンド3曲縛りということで回したのですが、これが結構良かった。
なんだかんだと、2ndセットまで出来ました!

そして、4バンドともフロントラインがテナーサックスだったというのも初めて。
”雛祭り”に先駆けて、思わぬ”テナー祭り”となりました。
こちらは、慶應ライトミュージックソサイエティのOBバンド”スパシーバ”。
我々と一緒のことが多いので、すべて顔なじみばかり。
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こちらは、東大のOBバンド。
テナーの人以外は、こちらも顔見知りばかり。
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そして、テっちゃんが珍しくバンドを組んでの出演。
ドラムの佐々君は熱海からの大遠征。
彼は、前にもここで書いた”The Real Group”の日本でのプロデューサー。
小気味の良いドラムスは、健在です。久しぶりに会えたので合間に話が弾みました。

まぁ、顔なじみばかりが揃ったので、それはそれで楽しかった。
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帰りには、雨が上がってスーパームーンを雲の間から見ることが出来ました。
いやぁ、面白かった。

by dairoku126 | 2019-02-20 10:21 | 音楽 | Comments(0)

メンテナンス、初日。

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今日から、実際のメンテナンス作業にかかります。
まずは、ヤクの傷んだところをサンドペーパーでキレイに整えます。
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樹脂を使うので、レンタル用の傷んだパドルもついでにペーパーで整備。
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この後、最初の樹脂がけ作業。
一部、強度が必要なところにはグラスファイバーを巻きました。
この作業は、エクスパートのハッチにお任せ。
下手にやると、刷毛目が出て美しく仕上がらないからね。
樹脂を次回まで完全に硬化・乾燥させ、再びサンドペーパーで整えてから2度目の樹脂がけをして完成です。
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その間に、我々は本体にかかります。パドルが当たって、本体についた傷。
これを何とか目立たなくするのが、今回のテーマ。
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ケルヒャーでこびりついた水垢、汚れをキレイにしてから試したのが「激オチ君」。
これが意外と良かった!
丹念に傷の深さに合わせて何度も擦ってはウェスで拭き取る…の繰り返し。
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ほらね、ピカピカになったでしょう。
次回は、このカヌーを再び組み上げてから全体にマリン用のワックスで仕上げます。

…と同時に、残る2艇をバラして同じ作業の繰り返し。
新しいシーズンは、美しく整備したカヌーで乗りたいもんね。

by dairoku126 | 2019-02-17 16:56 | アウトリガー | Comments(0)

今日から、メンテナンス!

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1年間使ったカヌーのメンテナンスが始まります。
まずは、メンテナンス用具のチェック。必要なものは、買いに行かないと…。
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ということで、まずは1艇を解体。
カヌー本体は、明日から汚れを落としてから船底の磨きなどに入ります。
さらに、アマとヤクをバラして、ヤクは傷んだ部分をサンドペーパーで均した上で樹脂をかけたり、部分的にグラスファイバーで固めて強度を高めないと…。
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その後、メンテナンスと練習の兼ね合いを含めてのスケジューリング。
3艇をどの順番でメンテしていくか、人数はどれくらい必要か?など結構マネージメントをしっかりとしないと無駄な時間が出てしまう。

明日からは、実作業に入ります。
早く終えれば、それだけ早く垢を落としたカヌーで漕げる!
みんな、頑張ろうね。

by dairoku126 | 2019-02-16 14:25 | アウトリガー | Comments(0)

『カエサルを撃て』、『剣闘士スパルタクス』、『ハンニバル戦争』佐藤賢一

e0171821_09380125.png佐藤賢一のローマ3部作を続けて読みました。
なぜか、時代が遡っていく。

西洋史に造詣が深い作家ですが、フランスが専門のように思っていたので、ローマ史を書くとは意外な感もありました。
だけど、読み始めたら面白い。
カエサルを撃て』は英雄として描かれることの多いカエサルを、実に小心な人物として描いて居る。

歴史家のみならず歴史に興味を持つ人間が読むことの多い「ガリア戦記」を自分を大きく見せようと綴るカエサルの姿を滑稽さを交えながら描いて行きます。
むしろ物語の主人公は、部族対立の多いガリアを統一してローマの支配に反抗しようとしたウェルキンゲトリクスではないか?とさえ思えるほど。
言うなれば、これは「反ガリア戦記」の面持ちをした物語になっている。

門閥派の大立て者・ポンペイウスの引きで執政官となり、財力を誇るクラッススとカタチの上では三頭政治の一角となったカエサルですが、ガリアの地でローマの政治情勢ばかり気にしながら、落ちこぼれまいと汲々となるカエサルをあざ笑うかのように反ローマ勢力をまとめ上げて行くウェルキンゲトリクス。持ち前の美貌と残酷さを前面にガリア諸部族の覇者として、戦略拠点を次々に落としてローマ軍を窮地に陥れていく。

負けを覚悟したカエサルがローマ人としての誇りに目覚め、乾坤一擲の大勝負に賭ける。
ここから後の「英雄」の名に恥じない転換を遂げるカエサルの誕生となります。
それにしても、途中の負け戦を「ガリア戦記」に書く際に、責任を他に転じて自分を正当化しようとするカエサルの姿は、会社員が報告書に失敗を記す時にやることの原点ではないかと思えるほど…。自分でも、負けたプレゼンの報告書を書く時にやった覚えがあります(笑)

剣闘士スパルタクス』は、時代を少し遡った紀元前60年頃の話。
有名な剣闘士たちの反乱です。

何といっても、占領地から連れてこられ、鍛え上がられた剣闘士=奴隷は相手を殺さないと自分が生き残れないという真剣勝負の殺し合い。
ローマ人の娯楽の最たるものだったようで、今もローマに残るコロッセオはその舞台です。

性奴隷として奉仕する女パトロンに逆らったからと、大観衆の前で死の寸前まで追い詰められ、不利な戦いを強いられるスパルタクスの姿に他の剣闘士も一致団結して反乱を企て、見事に成功してしまう。
そんな剣闘士の軍団に周辺地域の奴隷達が加わり、鎮圧に向かうローマ軍を撃破して南部イタリアを占領するまでになる。
そんな日々の中で、スパルタクスが悩み始めるのですね。
自分はリーダーとして、向いているのか…と。そして、何を目指して闘って来たのか?
ローマ人達は、ローマという国のために闘うのに何の躊躇いも無いのに…。
成り行き任せでリーダーとなった”ただ強いだけの男”が、トップの座について知るリーダーの重圧に苦しむという物語。ここでも、人間の内面の弱さに焦点が当てられています。

ハンニバル戦争』は、カルタゴの英雄ハンニバルに対抗して闘ったローマの貴族の御曹司・スキピオ・アフリカヌスの物語。
第1部は、10代でハンニバル戦争に駆り出され、ローマ軍が大敗する中で3度も生き残ったスキピオの生涯の前半が描かれて行きます。
第2部では、父・叔父をイベリア半島のカルタゴ軍に殺されたスキピオが、年齢が到達していないのにイベリア半島軍の総司令官に立候補するところから始まります。
ハンニバルの戦略を徹底的に分析し、それを今度はローマ軍に導入してカルタゴ軍との戦いに援用して勝利を収めていく。
最後には、カルタゴの地ザマでイタリアから撤退してきたハンニバルと頂上決戦に…。
歴史上、名高い”ザマの戦い”が物語のクライマックスとして盛り上げてくれます。

この3部作は、”英雄”と称えられた人間の弱さや葛藤、そして自分を見つめる勇気…というテーマでローマ史のターニングポイントを見事に描いている。
ここら辺は、佐藤賢一の着眼点の良さを褒めるべきでしょう。
塩野七生の「ローマ人の物語」では、この部分を何と書いてあったか読み直してチェックしてみようかな。

by dairoku126 | 2019-02-13 12:47 | | Comments(0)

『花々』原田マハ

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原田マハのデビュー作「カフーを待ちわびて」のスピンオフもの。
短編集ですが、それぞれの篇のモチーフになるのが「花」。
最初の短編の舞台は、「カフーを…」の舞台となった沖縄県与那喜島。時間設定もちょうど「カフー」と同時期に設定されています。

こちらから「なか見!検索」が出来ます。
沖縄、奄美の島々を舞台に、心に屈託を抱えた女性達の織りなす物語が連続して綴られて行きます。
章を追うごとに島を移りながら、複層的に物語が進んで行く。
どちらかというと、ライト・ノベルに近いのでしょうが、重たい本を読んだ後などにはサラサラと読めて良い。

まぁ、作者が原田マハなので、ライト・ノベルといっても軽薄な感じにはなってないし、現代女性の抱える悩み・問題とか痛みなどをキチッと描いていて、それなりに楽しめる本です。「さいはての彼女」に似ているかも…。

最後の章で「カフーを待ちわびて」のエンディングではカタルシス的な部分だった結末が明かされるのも、思わずニヤッとさせられるし、ハッピーな気分にさせてくれます。
もう一度、「カフー…」を読んでみようかと思わせてくれる本でした。

by dairoku126 | 2019-02-12 15:04 | | Comments(0)