カテゴリ:本( 246 )

『生きるとか 死ぬとか 父親とか』ジェーン・スー

e0171821_10372207.png娘から借りた本。面白くて直ぐに読み通してしまいました。

「人生の、酸いも甘いもつまみ食い」とは、TBSラジオ「ジェーン・スー、相談は踊る」で冒頭に自己紹介をする言葉ですが、この本を読んで「なるほど!」と納得してしまいました。

いまやTBSラジオの看板番組のひとつになった感のある「ジェーン・スー生活は踊る」ですが、これを聞き出してから昼間にTVを見ることがなくなった。ラジオの面白さを再認識してます。

それ以来、地方を旅行する時にもクルマの中では訪れた場所のラジオを聴くようにしているのですが、必ずある人生相談を聴いているとジェーン・スーの凄さが良く分かります。

相談メールに書かれた論点を整理して、分析して応えるなんて相談はどこにもないよ。
時には相談者の思いもよらぬ回答が出て来たり、時には相談者の甘えなどもズバッと切り裂いてしまうことも…。
上沼恵美子の相談は、延々と傷口を舐めているだけで答になっていない。
まぁ、関西ではその方が癒やされているようで、良いのかもしれませんけど。
地方の人が有料でradiko.jpを聴いて相談を持ちかけてくるのも、そんな相談に飽き足らないのかもね。
これは彼女がビジネスの現場で働いていた経験があるから何でしょうね。
企画書を書くように、問題の論点を整理するのは会社勤めで鍛えられるから…。
最初に努めたのが乃木坂のオフィスと書いてあったからEPICソニーに居たのかな?

この本は新潮社の「」に連載していたものに加筆・訂正を加えて単行本に纏めたものらしいけど、まさか「波」に…というだけで驚いてしまいました。
新潮社も時代を読んでいるんですね。

彼女の父親のことは、ラジオの中でもしばしば語られていて「石原慎太郎とナベツネを足して2で割らない」と評しているから、それなりに察してはいたのですが、こうして書かれたものを読んでみると破天荒というか江戸時代の江戸っ子というか…。

それでも「困った父親だけど、好き!」というのが馥郁と匂ってきて、読んでいて安心しました。まぁ、本人としては「溜まったもんじゃねえ」と言いたいのかもしれませんが…。
身内のことを語るというのは、照れくさくもあり、恥ずかしくもあり、ある意味自分をさらけ出すことですからね。まして、年取ってから破産してスッカラカンになってしまった父親の生活資金の面倒を見るなんて、あまり言いたいことではない。

私のことを娘はどう思っているんだろう?なんてことまで考えてしまった(笑)
それにしても、トシを取っても女にモテる男を父親に持つと、娘は大変でしょう。
家族関係のあり方って、人がいるだけあるんですね。

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by dairoku126 | 2018-05-25 11:31 | | Comments(0)

『ナツコ 沖縄密貿易の女王』奥野修司

e0171821_08585240.jpgこの本はホントに面白かった。
Book Offで200円で売ってたから、つい手に取ったんですが読み始めたら止まらない。終戦直後の沖縄で”密貿易の女王”といわれた金城夏子の凄まじい人生の記録です。

”鉄の暴風”と言われるほど沖縄戦で米軍は沖縄を破壊し尽くし、食料も何も生産できる土地ではなくなっていた。しかも、沖縄駐留米軍は「太平洋のゴミ溜め」と蔑称された統治能力に欠けた人材ばかりが吹き溜まりのように集まっていた。
食料をはじめ生活用品が不足していても沖縄諸島間の貿易も禁止され、まさに飢え死と隣り合わせの状態の中で、沖縄の海人たちは台湾や香港まで小さな船で乗りだし、沖縄の生活を支え続けていた。
あらすじは、こちらの書評やこちらの文章を読んでいただければお分かりいただけるかと…。
またAMAZONの「なか見!検索」でも、さわりの部分は読めます。

それにしても、この女性のビジネス能力は卓越しています。
まさに、八重山諸島を拠点に”黄金の海”を現出させてしまい、沖縄の密貿易業者の荒くれ男どもを差配して居たというのですから…。
戦前は石垣島出身の男性と結婚してフィリピンに渡り、マニラの市場で魚を売る傍ら糸満出身の女性達を組織してボスに収まっていた。同時に株の売買でお金を貯めるなど当時の女性としては破天荒な経済感覚の持ち主でもありました。
日米開戦前から”アメリカと戦争をしたら負ける”と言い、当局から尾行がつくと石垣島に移住、その後台湾に移った。

戦後になり、台湾から石垣島に戻り、そこに係留されていた18トンの船を買い取り、密貿易に参入。たちまち、巨大な利益を挙げはじめ、台湾人とのネットワークで情報を仕入れながら、いつの間にか「密貿易の女王」といわれるほどの存在にのし上がって行く。
和歌山や神戸ともネットワークを拡げ、華僑ルートや老舗和菓子店に砂糖を納めるなど常に市場が欲するものを運び込みます。

朝鮮戦争が始まると沖縄米軍の捨てた戦車や車両が、密貿易のルートで中国共産党に渡るなど米軍も沖縄統治を真剣に考えるようになり、沖縄を「反共の砦」とするべく優秀な人材を送り込むようになる。それに合わせるように、ナツコも密貿易から正業への転換を図り、当時としては荒れ地と墓しかなかった現在の国際通りに鉄筋コンクリートのビルを建て、本土との貿易が軌道に乗り始めた頃ガンに冒され、東大病院に入院。
最後は「沖縄で死にたい!」と、就航まもない日本航空の飛行機をチャーターして沖縄に戻るという桁違いの38年間の人生でした。

著者の奥野修司は、この本をまとめ上げるのに12年間かかったとか。
まぁ、密貿易に関わった人達が残り少なくなった時期に取材を始めたのですから、かなり苦労をしたことは察しが付きますし、また密貿易というイリーガルな事柄だから関わった人達もなかなか口を開いてはくれなかったことでしょう。

僕が物心ついたときには、まだ少しばかり占領下の日本の名残がありましたから、「貧しい後進国・日本」というのも僕自身は肌身で感じていた部分があるのですが…。
現在の日本の若者がこれを読んでどう感じるのでしょうね?

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by dairoku126 | 2018-05-13 10:13 | | Comments(0)

『老いて ますます 明るい不良』嵐山光三郎

e0171821_09343865.pngGWが終わったと思ったら、冬に逆戻りしたような天気。
こういう寒暖差の激しいのが、堪えるんだよな。
ということで、ポカポカするようなエッセイを…。

この本のキーワードは、幾つかあります。
「好き勝手に」、「明るく」、「機嫌良く」、そして「やりたいことをやる」。まさに「ご隠居哲学」指南の本でした。

それにしても、編集者から作家になった人というのは、当たり前のことですが人脈が広いし、視野が広い。
最初から作家としてスタートした人と比べて、「編集者」という意識というか、ものの見方が客観的に一歩引いている部分があるんでしょうね。
仕事を通して刷り込まれたものというのは、生涯つきまとうものだと読んでいて感じました。

「ヨルタモリ」でタモリが演じていたジャズ喫茶のマスター・吉原さんのモデルとなった一関のジャズ喫茶「ベイシー」の菅原さんの学生時代からの軌跡が「やりたいことをやる」典型のように描かれていたけど、これは納得!

トルストイの「家出」の話も、さすがに大貴族らしく面白かった。
まぁ、さまざまな人がその人なりの「不良な部分」のエピソードを持って登場するので、読んでいて退屈はしません。不機嫌な天気の時には、機嫌の良いものを読むのに限る。

こちらで、立ち読みができます。
主な内容は…

●人生は宴会である
●生涯不良学習教育
●不機嫌な老人は損をする
●いつ死んだって・・・よくない!
●めざすは明るい老人


お暇なら、読んでみてはいかがでしょうか?



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by dairoku126 | 2018-05-09 10:28 | | Comments(0)

『断髪女中 獅子文六短編集 モダンガール篇』獅子文六

e0171821_21291110.jpgあっという間に5月になりました。
五月晴れの中、アサイチで行ったのは年に一度の内視鏡検査。
そのため、午後は晴天にも関わらず読書に勤しむことに…。

獅子文六が若い人にウケているようで、ちくま書房でも文庫本で絶版になった作品を次から次へと掘り出してくる。
この短編集は、中国との戦争が泥沼化する前あたりに書かれた作品が多いようで、世間にまだ少しゆとりがある頃の世相がイキイキと描かれています。それにしても、面白い。

表題作の「断髪女中」からして、「近頃、払底しているもの、銅、ガソリン、傑作小説、デ盃日本選手ーーそれから女中さんである」という書き出しで世相が分かろうというもの。働く女性は、工場に取られてしまっている。
「断髪」(ショート・ボブのことでモダンガールの象徴のようなもの)×「女中」という相反する価値観を持った言葉を掛け合わて期待感を煽るなんてコピーライターがお手本にしたいような手法ですよ。実際に、バブルの頃にはそんな手法が流行りました。

ラインナップは、こちらで見ていただくとして時として分からない表現が出て来る。
だから獅子文六を読むときは、iPhoneの大辞泉が大活躍となることが多い。

「イット」という言葉分かりますか?
英語の「it」のことですが、クララ・ボー主演のアメリカ映画「イット」で昭和初期に流行した言葉で、【性的魅力。セックスアピール】の意味だとか。
当時はモダンな感じの言葉だったのでしょうね。

まぁ、今読んでも軽妙な味やモダンな感じは喪われてないから不思議です。


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by dairoku126 | 2018-05-01 22:09 | | Comments(0)

『火天の城』山本兼一

e0171821_13415562.jpg安土城築城の総棟梁を努めた岡部又右衛門を描いた小説。
この安土城建設の功により、信長から総大匠司の位と日本大天守棟梁の称号を与えられ、小袖を拝領した。

職人を描かせたら第一等の山本兼一の渾身の作品。
この人は、職人とか技術者の持つ”技(わざ)”と”魂”が大好きなんでしょうね。同じ戦国時代を描いても、職人の目を通した作品の方が迫力もあり、かつイキイキとしています。
ある意味、”技術系”の時代小説という新ジャンルを気づいた作家かもしれません。
だから、この小説でもさまざまな技術者集団が登場します。
石工の穴太(あのう)衆とか木曽の杣人など、自分の技術・職能に誇りを持ち、信念を曲げない人々の姿が気持ち良い。
武士に命じられても、道理に合わないことはガンとして反対する。

参考文献を見たら、やはり西岡常一さんや一番弟子の小川三夫さんの本が並んで居ました。
棟梁の吐く言葉の端々に、この人達の本に書かれた”木を組む、人を組む”というスピリットが感じられる。読んでいて納得が行きました。
とても感動的な話しに仕上がっています。読みながら安土城の階段の凄さを想い出しました。
その時のことは、こちらに…。

と、ここまでは良かったのですが、TSUTAYAで借りてきた映画を観たらひどかった。
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俳優さん達の所為というよりは、脚本と監督を含めプロデュースの酷さでしょうね。
あの原作がどうして、こんなにひどい映画になるのか?
原作では、信長はそれなりの職能を持った職人に対しては敬意を払うという信長像の再構築を図っている。まぁ、自分のわがままは押し通してはいますけど…。
人を身分で評価するのではなく、達成した物事で評価するという近代的な経営者のような価値判断と意思決定が出来る人物像として描いて居ます。

それが、映画では従来の信長像をさらに誇張したように”有無を言わさぬ”というワンパターンさ。さらに、必要のないラブロマンスの挿話が多くて、戦国時代の空気感を壊している。まぁ、見てられないし、時代考証も滅茶苦茶。
原作を読んで役作りをした役者さん達も、戸惑ったでしょうね、さぞかし。
見なきゃ良かった!と思うほどの、駄作どころかダメな映画の典型のような代物でした。




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by dairoku126 | 2018-04-30 14:06 | | Comments(0)

『安土往還記』

e0171821_17262530.jpg先日、『ジパング島発見記』について書いた時に触れたのですが、久しぶりに本を取り出して読んでみました。
ページを開くと少し黴臭かったけど、読んでいるうちに徐々に薄れていきました。やはり本というものはページを開いて、空気に当ててやるだけで元気になるようです。

これは1968年に書かれているので、僕が読んだのは初版から5年後くらい。20代から30代にかけては、一番好きな作家の一人だったから『春の戴冠』あたりから初版本が並びますが…。

読み出してみると、昔読んだだけにスイスイと読めていく。
それにしても、実に細かい仕掛けが随所に施されているもんだ!

設定自体が「南仏ロデス市の著名な蔵書家の書庫から発見された古写本に綴じ込まれていた長文のイタリア語の書簡」の訳を試みるという設定。本が刊行されてから、著者にイタリア大使を務めたという老紳士から電話があり「私はイタリア語も読めるので、その古文書の現物を読みたいのだが、どこで手に入るだろうか?」という問い合わせだったとか。
これには辻邦生本人も苦笑したでしょうね。
それほど、フィクションと史実が境目なく融合している。

内容としては…新潮文庫の紹介では「争乱渦巻く戦国時代、宣教師を送りとどけるために渡来した外国の船員を語り手とし、争乱のさ中にあって、純粋にこの世の道理を求め、自己に課した掟に一貫して忠実であろうとする“尾張の大殿(シニョーレ)"織田信長の心と行動を描く。ゆたかな想像力と抑制のきいたストイックな文体で信長一代の栄華を鮮やかに定着させ、生の高貴さを追究した長編。文部省芸術選奨新人賞を受けた力作である。」とあります。

外国人が見た「信長」の姿(本質)がフィクションとは言え、妙に納得できてしまう。

逆な言い方をすれば当時の日本にあって、西欧人の持っていた「合理性」を体現していたのは「信長」ただ一人。だから語り手であるジェノバ人には「信長」の苦悩やヴィジョンが理解できたのに、家臣達には「仰ぎ見る」恐怖の対象でしかなかった。

朧気ながらも、信長が行く道を理解してると目をかけていたのは秀吉と光秀だけだったという。その「目」に耐えられなくなって光秀が、遂に…。というところで物語が終わります。

最後まで緊張感を切らさずに稠密な絵画のように味わい深い本です。

やはり、エンタメ本だけ読んでいたらダメですね。



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by dairoku126 | 2018-04-25 18:06 | | Comments(0)

『モダン』原田マハ

e0171821_17480642.png題名の通り、ニューヨーク近代美術館を舞台にした短編集です。
今では、英語名The Museum of Modern Artの頭文字を省略した「MoMA」と親しまれている美術館。

20世紀以降の現代美術をはじめ、建築、商品デザイン、ポスター、写真、映画まで「美」の対象として収蔵して展示するというやり方は、いかにも新興国アメリカらしいし、従来の美術館とは違う存在として特異な輝きを放っている。生活のさまざまなシーンにあるものに「モダンアート」という新しい価値で定義づけて来ました。

デンマークのBang & Olufsenの商品は、18も認定されている。
認定された商品は販売されていて、日本にもMoMA Design Storeがあります。僕もフランス製ののサングラスを持っていますけど…。

著者の原田マハは作家になる前、森ビル森美術館設立準備室に所属していたときにMoMAに研修勤務していたことがあるとか。その間に見聞きしたことにフィクションを加えて、連作短編に纏めたのがこの本です。だから美術館の仕組みまでキチンと書いてある。

5篇の短編は、MoMAのさまざまな部署に勤務する人物が主人公となっています。
それぞれの人物が感じるMoMAへの愛情が色濃く描かれていて、全体を読み終えるとMoMAの歴史と価値観が浮き彫りにされてくるという構成になっている。僕が一番好きなのは美術館の守衛を主人公になっている「ロックフェラー・ギャラリーの幽霊」という一篇でした。
それ以外にも、「楽園のキャンバス」でも登場したトム・ブラウンとティム・ブラウンが、ここでも登場して良い味を出してくれていたのにはニンマリとしてしまいました。

そして、全編を通してN.Y.で起きた9.11と東北の3.11が通奏低音のように響き合って、それぞれの短編に影を落としていることでしょう。単なるMoMAの紹介だけで終わらずに、「人間」のドラマを紡ぎ出したところに奥行きを感じさせてくれます。

コンテンポラリーな「モダンアート」を通して、現代社会に暮らす人間を描いた小品です。

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by dairoku126 | 2018-04-22 10:19 | | Comments(0)

追悼、加藤廣さん。

e0171821_10311960.jpg作家の加藤廣さんの訃報を新聞で読みました。
金融ビジネスの世界で要職を重ね、75歳にして作家デビューを果たしたという経歴の持ち主。

「本能寺の変」を題材に、「信長の棺」、「秀吉の枷」、「明智佐馬助の恋」という「本能寺三部作」をはじめ、時代小説に独自の解釈で挑んだ作家でもあります。
史実とは違うのでしょうが、それはそれで面白かった。

「信長公記」の作者・太田牛一とか前野将右衛門など、歴史的には比較的地味な存在にスポットライトを当て、新しい「切り口」の「本能寺」像を創り出した独創性には感心しました。
金融畑で地道に精進を重ねて来た著者の来歴とも重なる部分があるのかと…。

またまた、面白い作家を喪った気がします。

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by dairoku126 | 2018-04-18 10:59 | | Comments(0)

『ジパング島発見記』山本兼一

e0171821_15090047.jpg大航海時代に日本に来たヨーロッパ人の視線から見た日本。
まさに、ヨーロッパ人によって「発見」された戦国末期の日本を描くというアプローチで描かれた時代小説です。

彼らにとって、日本人というのはインド人は中国人とも違う、奇妙奇天烈な存在だったのでしょう。
イエズス会の神父、ルイス・フロイスが認めた「日本史」はもとより、ザビエルの書簡など丹念に資料を漁って書かれた短編集です。

登場する人物は、歴史の教科書でもお馴染みの7人。
1543年 種子島に鉄砲を伝えたポルトガル人、ゼイモト。
1544年 ポルトガルの冒険商人、ホラ吹きの異名を持つピント。
1549年 イエズス会のフランシスコ・ザビエル。
1552年 大分に慈善施設を作ったイエズス会修道士アルメイダ。
1563年 日本語も習得したイエズス会神父、ルイス・フロイス。
1570年 布教長として赴任したイエズス会のカブラル。
1579年 ローマ法王の巡察使として来日、信長から遣欧使節を託されたヴァリニャーノ。

7篇の短編の前にはルイス・フロイスの簡単なリードが付いていて、これから始まる物語の前振りをしている。なかなかに、新鮮な切り口の時代小説でした。

僕が読んだ範囲では、このアプローチで書かれた小説は、辻邦生『安土往還記』だけですね。
こちらは織田信長の凄烈な生き方を、宣教師を送り届けてきた船乗りを語り部として描いたもので、僕が20代の頃に読んで強烈な印象を受けたものです。
良い機会だから、もう一度読んでみようかな?

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by dairoku126 | 2018-04-16 15:39 | | Comments(0)

『藤枝梅安シリーズ』池波正太郎

e0171821_08365960.png
久しぶりに池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」シリーズ全7冊を一気に読んでみた。前に読んだ時より、さらに面白く感じたのは年齢のせい?

つらつらと考えてみると、僕の読書傾向が一変したのはこの「梅安」シリーズから。それまでは、時代小説はおろか娯楽小説と言われるものとは無縁な読書生活でした。
30代の前半は、梅原猛とか哲学関係のものばかり読んでたし。
子供の頃から「和」よりも「洋」への憧れが強くて世界文学全集にあるようなものとか、軽いものでも海外のミステリーとかイギリスの海洋小説が本棚に並ぶ傾向が強かったし…。

それまで、池波正太郎の書いたものは週刊誌に連載していたエッセイばかり。
うちの奥さんは、時代小説の大ファンでかなり読んでいたので本棚には並んでいました。

我が家にあった「梅安料理ごよみ」を手に取り、読んでいくとそこにその料理が出て来る本文からの抜き書きが…。この抜き書きを読んでいるうちに、ついつい本文に手を出したところハードボイルドなタッチに見事に嵌まったという訳です。
さぁ、それからは一気に池波正太郎をはじめとして時代小説を読み漁るようになった。
池波正太郎から藤沢周平へ、そして白石一郎、司馬遼太郎と好みが変化して行きながらも時代小説を読むことはすっかりと定着してしまいました。

最近は、池波正太郎のものをほとんど読むことも少なくなってきたけれど、やはり読んでみると味わい深いものがありますね。



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by dairoku126 | 2018-04-13 09:24 | | Comments(0)