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『ロビンソンの足あと』高橋大輔

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先日、書いた平松洋子の『食べる私』の中で探検家の高橋大輔のことを知り、この本を読みたくなって検索したらAMAZONの古書で出ていることが分かりました。

日本での版元は、日経ナショナルジオグラフィック。
新刊は、こちらで売りに出ているようですが、古書で十分と安い方を選択。ナショナルジオグラフィックのサイトの方で、25ページまでは立ち読み出来ます。インタビューも読めます。

と、まぁ手に入れた経緯はこんなところで…(笑)

読み出すと、結構止まらない。

著者のロビンソン・クルーソーの暮らした場所を見てみたい!という情熱が簡潔な文章で伝わってくる。と、同時にロビンソンのモデルとなったアレクサンダー・セルカークの事跡を調べるためにスコットランドまで出掛けて行ったり、ニューヨークの探検家クラブでの講演会に端を発してナショナル ジオグラフィックの援助を受けるまでの面倒な手続きなど、子供の頃の夢を実現させていくプロセスにも胸を打たれる。
この発見に至る間に、専念できるように会社を辞めてしまうのですから(というか途中まで会社の休暇を使いながら、ここまで調べたエネルギーは凄い!)。

実際に南米チリのサンチアゴから沖に670kmのロビンソン・クルーソー島での発掘許可を得て、発掘を始めてからの日々。住居跡と目された石積みの跡を発掘していくと、出て来るのはスペイン人が入植した痕跡ばかり。失意と僅かな希望にすがる日々は、発掘期間の残り僅かな日々にチリの考古学者がさらに掘り下げた時に見つかった焚き火の痕跡と金属片がセルカークの住まいだったことを暗示させてくれる。
その金属片は、航海士などが使うデバイダーの先端だったのでは…。

10年にわたり粘り強く謎に挑み、多国籍チームを率いて、最後にたどり着いた奇跡の発見。
もう一度、デフォーの「ロビンソン・クルーソー」を読んでみようかな。

デフォーの物語には、当時のイギリスの植民地政策を推し進める意図が隠されていたという指摘もありますが、子供の頃にはそんなことは微塵も思わず、ロビンソンが智恵を尽くし、信仰に目覚めて神に感謝しながら生き延びる姿に単純に感動しただけだったので…。


by dairoku126 | 2019-05-16 11:48 | | Comments(0)


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