この試合は、
見事な勝利でした。
史上初の欧州勢完封劇、サンウルブスで徹底して積み重ねてきたディフェンスが成果となって顕れた試合となりました。
世界ランキングでは、日本の11位、ジョージア12位と接近した実力の相手。
しかも、ティア1の国との試合でも「欧州第一」と言われるほどスクラムが強い。
ジャパンが取り組んできたセットプレーの安定の成果を図るにも、絶好のマッチメイク。
前半は、お互いに相手の利点を消そうとキック合戦。
エリア獲得を主眼に手堅い戦術に終始しました。
相手エリアで反則を奪うと、PKを狙うというテストマッチならではの試合の進め方。
田村のキックが不調で、なかなか点差を開けない。
ボールを持てばフィジカルの強さを前面に出して、ガツンと当たりに来る相手をしっかりとしたタックルでキッチリと止めていた。
雨の中のゲームの割にハンドリングエラーが少なかったのは、それだけ集中していたからでしょう。前半はPK3本の差で日本がリード。
とにかく、スクラムが互角に組め、ラインアウトも安定していたから相手にチャンスを渡さなかった。
後半9分、交代で入ったファンデルバルトがラックサイドを真っ直ぐに突いて初トライ。
それまで、ラックからは大きく展開していたから相手のディフェンスも横に意識をしていたので、ラックサイドが手薄になったところを縦に突いた素晴らしい判断でした。
12分には田村の好判断でパスを大きく飛ばし、レメキが5人を抜いてトライ。
まさに、素晴らしい個人技でのトライでしたが、ディフェンスの裏を突いた判断が光りました。
そして、ご当地選手・姫野が駄目押しのトライ!
強力FWに備えてリザーブは、FWが6人、バックスは僅かに2人。
SH以外のバックスは交代できるのは1人だけという中で、一度退いた田村がラファエレの負傷のため再度入るということも…。
立川、山田が久しぶりに先発しましたが、目立たないところで安定したチカラを発揮していた。この二人が居るとディフェンス時に安定感が違います。
これで春のテストマッチは、2勝1敗の勝ち越し。
秋のテストマッチは、王者ニュージーランドとイングランド。
それまでに、どれだけジャパンがどれだけ進化を遂げているか楽しみです。