久しぶりに池波正太郎の「
仕掛人・藤枝梅安」シリーズ全7冊を一気に読んでみた。前に読んだ時より、さらに面白く感じたのは年齢のせい?
つらつらと考えてみると、僕の読書傾向が一変したのはこの「梅安」シリーズから。それまでは、時代小説はおろか娯楽小説と言われるものとは無縁な読書生活でした。
30代の前半は、梅原猛とか哲学関係のものばかり読んでたし。
子供の頃から「和」よりも「洋」への憧れが強くて世界文学全集にあるようなものとか、軽いものでも海外のミステリーとかイギリスの海洋小説が本棚に並ぶ傾向が強かったし…。
それまで、池波正太郎の書いたものは週刊誌に連載していたエッセイばかり。
うちの奥さんは、時代小説の大ファンでかなり読んでいたので本棚には並んでいました。
我が家にあった「
梅安料理ごよみ」を手に取り、読んでいくとそこにその料理が出て来る本文からの抜き書きが…。この抜き書きを読んでいるうちに、ついつい本文に手を出したところハードボイルドなタッチに見事に嵌まったという訳です。
さぁ、それからは一気に池波正太郎をはじめとして時代小説を読み漁るようになった。
池波正太郎から藤沢周平へ、そして白石一郎、司馬遼太郎と好みが変化して行きながらも時代小説を読むことはすっかりと定着してしまいました。
最近は、池波正太郎のものをほとんど読むことも少なくなってきたけれど、やはり読んでみると味わい深いものがありますね。