『張学良秘史ー六人の女傑と革命、そして愛ー』富永孝子

e0171821_10305694.jpg本屋で見かけて面白そうだったので、著者名に馴染みが無かったけど買ってしまいました。いやぁ、面白かった!
1901年に生まれ、2000年に亡くなるという波瀾万丈に20世紀を生き抜いた男の話です。

中国東北地方の軍閥・張作霖の御曹司”張学良”のことは、もちろん知っていたし、「西安事件」で「国共合作」を図り、抗日戦線を成立させた男ということも知っていた。
蒋介石政権のNo.2 として、共産党との内戦で消耗するより、蒋介石を幽閉してまで抗日共同戦線の成立を図ったため、自身が幽閉の身になったので歴史の表舞台から消えてしまう。
本の内容や著者のことについては、こちらを。

1992年のインタビューに基づき、20年かけて書き上げたもの。
まぁ、関係者がすべて故人となるまでの時間も必要だったのでしょうが…。
タイトルにもあるように、彼と関係のあった女性について語っている部分が大変ですから。

それにしても、中国の軍閥のスケールにはビックリしました。
自前で鉄道は敷設するし、数十万人の陸軍を養い、海軍はおろか空軍まで常備する財力を握っていたのですから…。その豊かな大地と対ソ連への戦略上の観点から、日本が傀儡国家として満州国を世界中の非難を浴びながらも邁進してしまったのでしょう。

インタビューでは、「政治向きの話は止めて、女性について話しましょう」ということで著者も驚いたようですが、このような立場に居る人の女性関係というのは必然的に政治が絡んで来るので、かなり詳しく歴史を語っています。ここに出て来る女性もスケールが違う!

ここで描かれているのは第一夫人・于鳳至、第二夫人で物理学者の谷瑞玉、ムッソリーニ令嬢でイタリア公使夫人・エッダ、秘書で最後の妻・趙一荻、蒋介石夫人・宋美齢、中国中央銀行総裁夫人・蒋士雲の六人。(すみません、中国語の略歴しか見つからないものも多かった)

単に「英雄、色を好む」という話ではなく、自分の分身として政治の裏で働いたり、交渉したり出来る女性ばかり。まさに、「女傑」と呼ぶにふさわしい女性達です。
蒋介石、周恩来などとの関係も、妻同士が連帯して裏で動いていたりする。

同時に、中国の政治のダイナミズムも、さまざまなエピソードから感じることが出来ます。
こんな国でトップまで上り詰める政治家と正面から向き合うには、日本の政治家にも深い教養と人格の形成がないと簡単に見透かされてしまうでしょう。

最後に、単行本で出たときの書評を出口さんが書いてるのを見つけたので、こちらをご覧ください。

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by dairoku126 | 2017-10-25 12:27 | | Comments(0)


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