この人の本は、これ以前に『
仕事に効く教養としての「世界史」』を読んだのですが、抄訳のように簡潔にまとめていたので、より詳しいこちらを読んでみた。
僕がこの本を知ったのも、池上彰と佐藤優の対談で二人が絶賛していたから…。
ビジネスマンとして幅広い視野を持つ
著者が、歴史に興味を持ったのは若い時に末席に連なっていた食事会で聴いた
キッシンジャーの言葉「ある国を訪れるなら、その国の地理と歴史を学びなさい」。
それから、仕事の合間に歴史の本を読み漁り、気づいたのは日本史も世界史の一部だということ。
日本史と世界史が密接に結びついていないと「夜郎自大」な錯覚を起こしたり、視野狭窄に陥って太平洋戦争のようなバカげた戦争に踏み込んで行ってしまう。
メモを取りながら、読んで行きましたが今まで勘違いしていたことが多かった。やはり、断片として覚えてるばかりで全体の流れとして歴史を捉えて無かったんですね。
これを読んで行くと、習近平の膨張政策も歴史的に過去の栄光(鄭和の大航海時代)を取り戻そうという意識が働いているのが分かります。
我々が学校で習った世界史というのはヨーロッパ史観で書かれていたから、ポルトガルの大航海時代まで東洋の方がはるかに進んでいたことを忘れがちです。
そこに実は日本も絡んでいることが、別々の教科として学ばされていると分からない。
あらためて「目から鱗が落ちる」的な知的興奮を覚える一書です。
とても読みやすい本ですから、歴史に興味のある方は是非ご一読をお勧めします。