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中村うさぎ、佐藤優『聖書を読む』

中村うさぎ、佐藤優『聖書を読む』_e0171821_13444592.jpgこの二人の対談は、前の本「聖書を語る」について書いたのですが、続刊の「聖書を読む」が文庫になったので読んでみました。
本の内容については、こちらを。それよりも「文庫版あとがき」として中村うさぎが書いたものが一番分かりやすいかも…。

旧約聖書・創世記から読み出して新約聖書・ヨハネ黙示録まで、いくつかのトピックを取り上げながら話が進んでいきます。
旧約聖書の方は、ユダヤ教だけでなく、キリスト教、イスラム教でも「聖典」としての扱いを受けているので中東世界の古代の神話や伝承が集大成されたものなのでしょう。一神教の根本的な部分(創造主としての神の絶対性)が説かれている。
神様というのは、我が儘なものですね。

まぁ、古代の神話的な要素が高いので、八百万の神が坐す我が国の「古事記」にも創世部分では似ていることころも多々あるのは当然なことなのでしょう。

それにしても、佐藤優の博学さには恐れ入ります。
イエス・キリストが、イスラム教の方の「コーラン」ではゴルゴダの丘で十字架につき復活するという話ではなく、生き延びてしまう預言者になっている…なんて話は初めて知りました。

中村うさぎのシャープな突っ込みも面白く、この人のアタマの回転の速さにも驚かされます。
宗教とは何か?ということを考えさせてくれる本でした。
by dairoku126 | 2016-03-07 14:07 | | Comments(0)


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