人気ブログランキング | 話題のタグを見る

有川浩が止まらないーその1ー

有川浩が止まらないーその1ー_e0171821_16142931.jpg20世紀イタリアの国民作家・イタロ・カルヴィーノが前世紀末に提案した新しい千年紀文学のための必須条件とは、「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」というもの。
これは、まさに有川浩の小説の特長と言えるのでは…。
有川浩の小説がライトノベルと称されるのも、今までの文学が背負ってきた「重厚さ」「格調」「修辞的」な面から訣別した軽やかな文体で書かれているからだろう。
とはいえ、決して軽薄な内容のモノでもなく、軽やかな語り口で世の中の不条理や不都合さを指摘したり、人間の内面を描いて行くのが上手い作家なんでしょうね。
そして、何よりも大切な「ものがたり」が面白い!

ということで、すっかり有川浩に嵌まってしまいました。
次から次へと、買ってきては読み耽る毎日です。
この「阪急電車」は、映画にもなりましたけど、阪急今津線という営業キロ数9.3km、宝塚から今津までの10駅というもの。しかも小説では宝塚ー西宮北口駅という8駅間での人生模様を短編形式で、しかも登場人物が少しずつ交差するように描かれている小説。
Amazonでは「片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。」と紹介されています。
映画にもなったので、ご存じの方も多いでしょう。
物語を読んでいて、土地勘がまったく無い場所なので、実際にこの駅の周辺はこうなのか?というリアルなところは分からないのがもどかしいところではあるのですが…。
まぁ、そんな人のために阪急電鉄でこんなサイトを作ってくれていました。

有川浩が止まらないーその1ー_e0171821_1654381.jpgこちらは、自衛官だって恋をする…というリアリティを詰め込んだ短編形式の自衛隊もの。
まだ読んでいませんが、有川浩の自衛隊三部作といわれる自衛隊を題材とした物語があるのですね。
現在、TBSの日曜劇場で放映されている「空飛ぶ広報室」もやはり自衛隊もの。撮影協力している航空自衛隊のホームページにもちゃっかり「空飛ぶ広報室」が出来ていました。しかも、このページは女性広報官が担当しているらしくキャピキャピしているんですよね。
この「ラブコメ今昔」でも、突っ走り系広報自衛官の女子が鬼の上官に情報開示を迫るのは、「奥様のナレソメ」。
このエピソードから始まって、陸海空の自衛官をめぐる恋の物語が展開されていくのですが、そこにはやはり有事を想定した自衛官ならではの葛藤があったり、覚悟があったりと「軽さ」だけの物語では終わらないところにハッとさせられたりします。そこら辺が、巧みなんだよね。

現在は「図書館戦争」シリーズの4巻目に入り、ますます止まらない様相を呈しています。
by dairoku126 | 2013-05-30 17:35 | | Comments(0)


<< 梅雨の晴れ間 到来もの! >>