『陽炎の門』葉室麟

e0171821_1463054.jpgこのところ、カヌーを漕いでいるか、ギターの練習をしているか、本を読んでいるかという程、シンプルな生活パターンになっていますが、本を読んでいる時間がいちばん多いのじゃないかしら。今日も、雨でカヌーの練習が無かったので、朝イチから有隣堂&Book Offとハシゴをしてしまいました。
昼間には読んだことの無い本、寝る前は再読したい本を読むというのが、ここ数年の読書パターンですが、やはり寝る前はいつでも止められる本にしておかないと…。

この『陽炎の門』は、葉室麟の最新刊。
内容はというと、「職務において冷徹非情、若くして執政の座に昇った桐谷主水。かつて派閥抗争で親友を裏切り、いまの地位を得たと囁かれている。三十半ばにして娶った妻・由布は、己の手で介錯した親友の娘だった。互いに愛情が芽生えはじめた頃、由布の弟・喬之助が仇討ちに現れる。友の死は己の咎か―。足元はにわかに崩れ、夫婦の安寧も破られていく。すべての糸口は十年前、主水と親友を別った、ある“事件”にあった。」という紹介にもあるように、かつて藩を二分した派閥争いが主人公の桐谷主水の執政就任の当日から陰を落とし始め、大団円を迎えるまでにも二転三転するところは著者の直木賞受賞作「蜩の記」を彷彿とさせる渾身の作です。
藤沢周平の「海坂藩もの」にも似た藩のお家騒動が題材なのですが、主人公が自身を「不忠不義の臣・氷柱の主水」と言い放つニヒルとも違う醒めた感覚が新しいところかな?
前作の『春風伝』よりも遙かに出来が良いし、読後感がすっきりとしている。
この著者の描く女性像には定評がありますが、今回の作でも妻・由布が良いんだなぁ。
親友の娘という設定ですが、その設定からすると親友は18歳くらいで妻を娶り、子を生してないと計算が合わないのですが…。まぁ、時代が時代ですからね。
この1年間で葉室麟の本は、時間に任せてほとんど読みましたが、その中でもかなり上位に入る作品です。読み応えが、ありました。
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by dairoku126 | 2013-05-20 14:41 | | Comments(0)


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