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イチローと、WBC問題。

イチローと、WBC問題。_e0171821_16133985.jpgイチローが、まさにレーザービームのようなトレードでN.Y.ヤンキースの一員となったのが昨日のこと。
その日から、試合に出て1安打1盗塁を古巣のマリナーズ相手に決めたのは、さすがです。

この写真を見た時に、新渡戸稲造の"武士道"という言葉が浮かびました。11年以上も世話になったシアトルのファンに対する万感の思いが、カラダから滲み出てくるような…。
また、TVのニュースで観ていて、シアトルのファンの温かい拍手にも感動しました。それだけで、イチロー自身が記者会見で言ったように、シアトルのファンと思いを共有してきたという言葉が真実のものであったことが分かります。
タイトル争いから、シーズン開幕とともに脱落していく地元のチームにあってイチローの打ち立ててきた数々の記録は、シアトル市民の誇りでもあったのでしょう。
モチベーションが上がらない中で、「良く頑張ってくれた」とイチローに対するファンの感謝が現れたシーンでした。ファンと選手の素晴らしい関係を見ることができた思いがします。

それにしても、今回の電撃トレードというのはメジャーリーグならではのもの。
日本では想像もつかないことです。それもシーズンの途中に…。
まぁ、それだけMLBというビジネス・コンテンツの強化に熱心だからでしょう。

このビジネスのセンスを逆の意味で発揮しているのが「WBC問題」。
自分達の利益だけを考えた大会の仕組みや利益配分を見ていると、日本の選手会が不参加を決めたのも当然と思えるほどのMLBだけが儲かる仕組みになっています。
大会のスポンサー収入の7割を日本企業が出して、その利益の7割近くをMLBとMLBの選手会が持って行ってしまうという一方的な利益配分構造。
幕末から明治にかけての「不平等条約」という言葉を想い出すほどの酷さです。

この「不平等条約」の「条約改正」に向けて、日本プロ野球機構と選手会は手を携えて進んでいたはずなのに、いつの間にかプロ野球機構の方は脱落してしまい、選手会だけが頑張っている構図になってしまいました。選手会の方は、ハシゴを外された感さえあります。
ちょうど、今朝の毎日新聞の社説にもありましたが、プロ野球機構の弱腰こそが責められるべきで、日本のプロ野球の将来を本気で考えているのはプレイヤーの方ではないかと思うほど。
「ワールド・ベースボール・クラシック」といっても、アメリカでは開催していることすら話題にもならないようなシーズン前のオープン戦のようなもの。
メジャーリーグの選手達には、怪我をすると馬鹿らしいので、できるだけ出場しないように働きかけるほどのものです。世界中の選手を集めてメジャーリーグへのトライアウトのような大会で金儲けが出来るんだから、その利権を手放すことはムツかしいとは思うのですが、だからこそ日本のプロ野球機構が頑張らなければ…。
by dairoku126 | 2012-07-25 17:15 | スポーツ | Comments(0)


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