来週の月曜日に、ボサ歌手のバックをすることになり、譜面が送られて来たのですが、察していた通りの細かい指定付き。一瞬、コードをどのように押さえようかと迷います。
まぁ、慣れるしかないんですが…。先に貰っておいて良かった!
前に読んだ「
アントニオ・カルロス・ジョビン―ボサノヴァを創った男」(妹のエレーナ-ジョビン著)のあとがきに
山下洋輔がブラジル人のギタリストと演る時にC7と書いてあっても単純な7thのコードでは無く、♭5の音が入ってくることが多い、と書いてあったことを想い出しました。これは、ボサノヴァを創った男・
アントニオ・カルロス・ジョビンのクセというよりブラジル人全般の和音の独特な感じ方によるものだろう、とも書いてます。
それ以外にも、2小節間でE9/13thから−13thに下がり、A9から−9thに下がって行く(和音の響きの中で、一番高い音がD♭の音から半音づつ下がって行く)などという独特のギターコードの動きなど、とても勉強になります。
メロディとコードの構成音の考え方が、現代音楽風といえるのかもしれません。
ガーシュウィンや
コール・ポーターなどのスタンダード曲とは、まったく違う音楽理論に基づいていることがコード進行でも分かります。
送られて来た譜面の曲は、ほとんど知っている曲ばかりでしたが、女性歌手の場合はキーがオリジナルと4度くらい変わるので、普段に演奏しているのとは違う雰囲気になるし…。
ギターのコードも高い方を使うか、低い方でするかで曲のイメージが変わるし、ね。
ボサノヴァのメロディ自体は、耳障りの良いものが多いのですが、単純にならないようにコードを工夫していることが、これらの譜面を見ていると良く分かります。
ジョアン・ジルベルトとか、
ジョイスは、さらに徹底してコードを自分流に作り直すとか。
ジョアン・ジルベルトが、初来日した時に前の方の良い席を取ってもらって、じっくりとコードワークを見ていたのですが、たとえば「Desafinado」なんて曲を演るにも1st.コーラスと2nd.コーラスでは違うコードフォームで握ってました。
まさに、「そこまでやるか!」というほど徹底してました。
さ、練習しなくっちゃ。