ヴォーカルとギターのDuoとして、あまりにも有名なレコードですが、最近良く聴いているので…。やはり、こうしたシンプルな構成の音楽の方が、暑い時にはスッと耳に心地よく入ってくるからなのでしょうか?
この二人のDuoは、1973年に最初の「Take Love Easy」、76年の「Ella & Pass…Again」、83年の「Speak Love」、86年に「Easy Living」が録音され、それ以外にも発売直後に日本とドイツでのツアーの中でのライブ録音「Sophisticated Lady」や、ドイツへのツアーの際にラジオ局で録音された「HAMBURG DUETS 1976」とか、映像化された「DUETS IN HANNOVER 」(DVD)とかがあります。 それにしても、このDuoの企画自体が50年代から二人をよく知るノーマン・グランツならではのものと言えるでしょう。彼が起こしたジャズのレーベルとしてはVerbeの方が有名ですが、大きくなりすぎたレーベルを売り払って、彼の趣味を活かしたPabloレーベルを起ち上げたからこそ出来た企画ともいえます。ちなみにPabloというレーベル名は、パブロ・ピカソに因んだもの。彼は、個人としてはアメリカで最大のピカソ・コレクターだったということらしい。 僕はライブ盤以外の4枚すべてを持っていますが、やはり最初と最後の2枚が出来が良いと思っています。最初の録音は、二人とも新しいものを創っていくという意気込みというか、新鮮な驚きを感じつつ、歌い、演奏している感じが伝わってくるのですよね。 そして、最後の「Easy Living」では、13年にもわたる経験で発酵したDuoの熟成した味わいが楽しめます。最初の頃は、エラの歌があくまでも「主」で、パスのギターは「従」という感じがあったものが、お互いにインプロバイズしながら「語り合って」いる完成度の高さが素晴らしい。「歌いきる」って、こういうことなのか!と聴きながら感動した覚えがあります。 また、発売直後に初めてレコードを聴いたときのことも想い出しました。 会社に入って数年後、神田錦町の本社に録音スタジオで仕事があったときに、早めに有楽町のオフィスを出て、お茶の水のディスク・ユニオンでレコードを買って、ラジオCMの録音が終わった後に時間が余ったので、スタジオのプロ用の機材で聴きました。 針を落とした直後にミキサーのYさんが「やはりモノラルの録音の方がダイナミックレンジが深くて良いね」と言ったので、「え、モノラルだったの?」と驚きましたが、考えてみれば二人しか居ないんですからモノラルで充分。 ステレオが当たり前の時代に、わざわざモノラルで録音するところに深みがあったとは…。 これは、1975年・ハノーバーでのライブ。 ジョー・パスが、この頃はまだギブソンのES175を使っていたのですね。 「弘法筆を選ばず」ですが…。
by dairoku126
| 2011-07-14 13:21
| 音楽
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Comments(2)
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matsu-honu
at 2011-07-14 14:05
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僕も好きで3枚(LPで。ライブ版は3枚組でした)持ってます。特にTake love easyは好きですね。マイクに口を付けるように歌っているので、舌の音まで聞こえて艶めかしいこと。一番大切なレコードです。
あとElla in BerlinのMACK THE KNIFE、ここでのダイナミックなEllaも大好きなんです。
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dairoku126 at 2011-07-14 16:11
matsu-honuさま
確かに、レコードの方が深みがありますね。 ベルリンの「Mack the Knife」は、ジム・ホールが珍しく熱くなってしまっているほどノリまくりのエラが素晴らしいものですね。
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