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このところ…

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寒くなってきたせいか、読書、カヌー、ギターの練習という日々を送っております。
特に、「島森路子インタビュー集Vol.1 『ことばを尋ねて』Vol.2『ことばに出会う』」の2冊は、読み応えがあって、タイトル通り「ことば」をおろそかに読み飛ばす内容ではないので、思っていたよりも時間がかかってしまっています。
この2冊は昨年の4月に休刊した「広告批評」30年の歴史の中で島森路子がインタビューした200余人の中から24人を選んで上下2冊にまとめたもの。すでに故人となられた淀川長治氏、亀倉雄策氏、山田風太郎氏などのインタビューも含まれていますし、「笑っていいとも」が始まる前のタモリとか、映画の世界に進出以前のビートたけしなどの発言も興味深いものです。
厳選されただけあって、それぞれの人が自分の「ことば」というものを持っていて、その「ことば」がその人の個性そのものを彫り上げていることが良く分かります。
それにしても、感心するのは島森路子さんのインタビューの上手さと、話し言葉で語られた「ことば」を書き言葉に定着する腕前。これについては谷川俊太郎がVol.1の「あとがき」で『編集者、インタビューアーとして有能だが、話し言葉を書き言葉に編集する島森さんの才能に私はもっとも傾倒していて、その能力がどこから生まれるのものなのか不思議に思っている。(中略)島森さんが文字に起こした対談、あるいはインタビューにはほとんどの場合、拍子抜けするくらい赤をいれる必要がなかった。』とベタ褒め状態です。
亀倉氏とは、亀倉氏のポスター展の会場で現物を前にインタビューをしているのですが、その語られているポスターもちゃんと掲載されています。そのポスターを見ていると、日本のデザインの歴史の流れが良く分かりますし、最初の作品が現在ポンとどこかに貼られていたらドキッとするかも…。
それほど、亀倉氏のアートというものは、いま見ても斬新です。それをコンピューターもなければ、製版技術も進んでいない時代に工夫して創り出していった能力には驚かされるばかり。
本当に読み応えのある2冊です。
by dairoku126 | 2010-11-21 22:42 | 文化 | Comments(0)


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