建築家・佐賀和光氏(通称ボクゾーさん、ターザン)が、大崎で台風スウェルを満喫中に心臓発作で逝去されたのが、10年前の今日。
早い話が、今日はボクゾーさんの10回目の祥月命日なのです。 僕にとっては、人生の師匠であり、海(波乗り、ウィンドサーフィン等)の仲間であり、31年間一緒にバンドを組んでいたパートナーでもあります。 建築家としては、根っからの鵠沼っ子として「光と風」をテーマに、斬新なデザインの個人住宅の設計で高名であった。 生前は、TV朝日で現在も続いている「渡辺篤史の建もの探訪」で最多出場というか、彼の設計になった家が一番多く取り上げられていた。 また、ジャズ・ピアニストとしては正式なピアノレッスンは受けたことなく、テクはなく、しかも譜面は読めないという三重苦のような条件にも関わらず、センスと耳だけで山本剛氏などプロも心酔するようなプレイやフレージングで、彼の音楽を紡いできた。 すぐ近所に住んでいた親友&飲み友達であったプロ意識の高いダークダックスのパクさんが、彼の伴奏だとちゃんと歌ってくれた。 また海では、日本サーフィンの草分け&レジェンド佐賀兄弟の一番上の兄として、サーフィンやウィンド・サーフィンで圧倒的な存在感を示していた。 とにかく公私にわたり、彼のカッコ良さは群を抜いていたし、誰とでも打ち解ける包容力の大きさで、誰からも慕われていた人物だったのです。 彼の葬儀に延べ2000人が集まったのは、その証拠でしょう。その葬儀も「喪服禁止、海に遊びに来る服で来てください」ということでアロハやTシャツ姿が家の周りに溢れだし、通りかかった人が「今日は何かお祭りがあるんですか?」と聞いたほど。 僕の従兄が湘南学園の同級生であったことから、10歳の時から顔見知り(といっても、9歳も年上だから彼は大学生だった)だけど、一緒にバンドを組んだ19歳からの31年間は濃密な影響を受け続けてきた。 一番多感な年頃だっただけに、音楽や服装、酒の飲み方から各種教養(読書から絵画、映画など)に至るまでモロに飛沫を浴び続けたといっても過言ではない。 10年間がアッという間に過ぎ、今日もあの日と同じように台風のうねりが押し寄せています。 朝、海を見に行ってたら藤沢市役所からの放送で「広島への黙祷を」というので海に向かって黙祷していたら、ボクゾーさんの声が聞こえました。だから、今日は昨日より波のカタチも良いのですが、海には入りません。もう少し、こっちに居たいから…。 気がつけば、彼が他界した年齢を超してしまいました。この10年、未だに師匠です。 あの日の午後、一瞬の日照雨の後、彼の家から見て大崎の方向に大きな虹がかかりました。 しかも、ダブル・レインボーが…。あの虹を、僕は生涯忘れられないでしょう。合掌!
by dairoku126
| 2009-08-06 13:58
| 友人
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Comments(4)
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maivenice at 2009-08-07 01:13
2枚とも良い写真です。
いかにもボクゾーな。 私もヒロコさんと話していました。 あれからもう10年たっちゃったんだねーって。 あの時は海も日本に行っていたのです。 私はもう鵠沼に帰ってもボクゾーの家には行きません。 私の中ではまだあの家にはボクゾーが居るし、前を通ると まいスケーって呼んでくれると思ってるのです。 ボクゾーに会えないのは私がLAに住んでいるから、のまま。
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dairoku126
at 2009-08-07 10:40
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そうですね、海君はまだちっちゃくて、グランパにくっついて葬儀の間もキチンと礼儀正しくしていましたよね。愚息の拓が、妙に慕われて一生懸命相手をしていました。
僕も昨夜はさすがに行きましたが、中に入るのはちょっと、ね。
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dairoku126 at 2009-08-07 11:11
maiveniceさま
そうそう、ボクゾーさんが手書きの「My助のMy Foolish Heart」というコード譜を大切にとってあります。 湘南ホテルで父上のために歌ったバラードは、歌ってる表情まで覚えていまっせ。
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Alahok2021
at 2009-08-11 13:26
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人生の師匠ではありませんが、東京でよくご馳走させていただきました(笑)。この辺でボクゾー設計の家は朽ちたり立て直しによって見られなくなりましたが、一軒目の私の家は苦労の末に強引にコンクリで造ったのでは辛うじて30年以上の風雪に耐え残っています。愚息夫婦が快適に住んでいます。そのうち文化財には・・・ならないね。
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