僕はもちろん知らないけど、今日は「海軍記念日」だったとのこと。104年前の今日、日本海海戦でバルチック艦隊相手に、東郷平八郎指揮下の連合艦隊が対馬沖で歴史的な大勝利を納めた日なのです。
「敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ聯合艦隊ハ直チニ出動、コレヲ撃滅セントス。本日天気晴朗ナレドモ浪高シ」との有名な電文を参謀・秋山真之が大本営に打電させ、旗艦「三笠」にZ旗を掲げて戦いに入っていった。艦隊が使用していた信号簿にはZ旗は「「皇国ノ興廃、コノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ」という文言が割り当てられていたとのこと。 ここら辺の詳しいことは、司馬遼太郎「坂の上の雲」とか吉村昭「海の史劇」あるいはWikipediaにもありますので興味のある方は読んでください。 NHKで「坂の上の雲」を今年の11月から3年にわたって放送するらしいけど、CGがなければできないドラマですよね。CGが未発達の頃には、絶対に再現不可能と言われて企画倒れに何回もなってきたらしいから。 日本の勝因は、日英同盟、戦闘員の練度、名参謀・秋山真之の取り入れた村上水軍の戦法、そして日本の戦時債を引き受けてくれたクーン・ローブ財閥のおかげと言われています。 クーン・ローブ財閥は、その後ロックフェラーの財務を担当したりしますが、1977年に去年破綻したリーマン・ブラザースに統合されてしまいます。 東郷提督は世界中の海軍関係者から「アドミラル・トーゴー」として高い評価を受け、国内においても陸軍の乃木希典と並んで「軍神」として祀られていくのです。 ところが、「英雄」として祀られたその人が、その後の歴史の中で結果として「老害」以外の何者でも無くなっていくのですね。海軍の改革に反対し、5・15事件の海軍将校の精神的な支えになり、アンチ英米派の巨頭として昭和の海軍の人事に長老として口出しして薩摩閥を要職につけ、日本を破滅に導く道筋を推し進める日独伊三国同盟派の精神的支柱として彼らの御輿に乗ってしまうのです。誰も諫めることができない「英雄」として…。 長州閥で陸軍の最高責任者として自分の無能さを知りつつ「英雄」になった乃木希典は、自分の無能さを分かっていたのか明治天皇の崩御に際して殉死してしまいますが、幕末の薩英戦争から薩摩の海軍士官として嘱望されてきた東郷平八郎はイギリス留学を経て、日露戦争時には最高の指揮官として能力を発揮しますが、その成功体験に後々まで縛られてしまったのでしょうか?ビジネスの世界でも、よくある話ですが…
by dairoku126
| 2009-05-27 15:28
| 季節
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Comments(3)
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Alahok2021
at 2009-05-28 18:13
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昔、江ノ島に乃木大将の銅像が!なぜ!?江ノ島内に満州軍総参謀長・児島源太郎を祀っている児島神社があります。ここには日露戦争の激戦地203高地の石が置かれています。銅像の由来は学習院院長だった乃木大将が生徒のころ水泳演習にきていたことにあるらしい。近くの湘南白百合学園もはじめは片瀬乃木幼稚園と呼ばれていました。
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dairoku126
at 2009-05-28 21:07
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それは児玉神社です。乃木が203高地を攻めあぐねて屍累々の山を築いて行くのを見かねて、満州から遼東半島まで駆けつけて、アッという間に攻略してしまい、すぐに満州の前線に戻っていったという名参謀ですね。しかも日露戦争に際して、自分以外に参謀長ができるのはいないということで、陸軍大臣から降格して参謀長になったという人です。西南戦争の時も、連隊旗を奪われるという失態を犯した乃木を救ってます。同じ長州出身として、乃木の尻ぬぐいばかりをしてきたのですが、乃木は「軍神」となって栄達を遂げ、児玉は江ノ島の小さな神社でひっそりと眠っているのも人柄なのでしょうか。児玉は日露戦争での心労がたたったのか、戦後すぐに亡くなってます。
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by
Alahok2021
at 2009-05-29 11:09
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「島」にとらわれて候。畏れ入りました。
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