『木もれ陽の街で』諸田玲子

e0171821_10414054.jpg諸田玲子には珍しい現代物。
向田邦子へのオマージュともいえる終戦直後の荻窪に住む家族を中心に描いた物語です。もっとも、うちの奥さんに言わせると昭和26年という終戦後の直ぐの時代は、TVドラマにしても時代考証が入るから「時代物」なのだそうだ。
ほぼ絶版になっているので、AMAZONで古書を買いました。

舞台となっている荻窪は、東京大空襲でも被害にあっておらず戦前からの住宅街と住民が暮らしている街。
与謝野晶子、井伏鱒二などの文化人や学者、軍人などが暮らしていた、ある意味ハイカラな街だったようです。主人公「公子」の家も元陸軍大尉の家だったとかで、サンルームのあるハイカラな佇まい。丸石を組んだ上に生け垣があり、その裏側は築山になっていて庭へとなっている…というのは僕の子供の頃に見た鵠沼の風景とも重なる。

当時のことですから、聖路加看護学校を出て大手商社に勤める主人公「公子」も職場と家を往復する毎日。暗黙のうちに門限も当然のようにあり、夕食は当然のように家族揃って家で食べている。まぁ、とても健全なお嬢さんですね。

その彼女の前に現れたのがデカダンを絵に描いたような画家の青年。
戦前にパリ留学したほどの鎌倉の裕福な坊ちゃんが、戦争で帰国する船で発病し、徴兵にも不合格になり、そのことが負い目になっている。
酒とヒロポンに溺れ、怠惰な生活に明け暮れる彼の生活からは想像もつかないような優しい母子像を描いた絵に魅了された主人公は、初めて家族に嘘をついて彼と付き合うようになる。
この恋愛の行方は、どうなるのか…という興味を抱かせつつも、主人公の周りではさまざまな事件が展開されていく。

この物語を読みながら、ドラマにしたときのキャスティングを考えていました。

「あとがき」で川本三郎は画家の青年は、森雅之が良いと書いていて僕も納得なんですが、さすがに古すぎる。自堕落な生活を送りながら、どこかに品性を感じさせる…なんて俳優は確かに今は居ないけどね。有島武郎の息子だもんな。僕の父とは成城で一緒だったようで、成城学園のOBの絵の展覧会には良く出品されていました。

…閑話休題…

向田邦子のドラマにしても、今の俳優でやるとなると難しいよな。
主人公の親友(お嬢さんで居ながら、最後に大波乱を巻き起こす)には満島ひかりというのは、直ぐに思い浮かんだのですが。
小説に書かれた年齢どおりにすると今の俳優さんは幼すぎるし…。
演技などは別にして、武井咲なんかを主人公にキャスティングしても良いかも。

この小説を読んでいて、何よりも感心したのは言葉遣いです。
この時代の空気感というのを感じるのは、登場する人物が発する言葉が美しいのです。僕もその時代の空気を幼少期とはいえ味わっているというか、周囲の大人たちが使っていた言葉を覚えているからでしょうね。
そもそも、諸田玲子は向田邦子の脚本のノベライズから作家としてデビューしているので、時代の空気感などは深くカラダに馴染んでいたのかもしれませんね。
主人公が初めて感じた激しい恋愛感情を端正な言葉遣いで描いてみせるなんて、諸田玲子というのはタダモノではありません。

[PR]
# by dairoku126 | 2017-04-08 11:39 | | Comments(0)

昨夜は、ヴォーカリストがゲストに…。

e0171821_09233327.jpg
今月最初の代官山レザール。
我々のバンドのドラムが家事都合でドタキャンだったので、以前一緒に演っていたモトム君にお願いしました。対バンドで一緒だってことは、分かっていたし。
ということで対バンドの演奏が終わっても、彼の休憩時間を取りながら、こちらのバンドのセットアップ。ギターのチューニングやアンプの調整にいつもより時間をかけました。
e0171821_09233650.jpg
今日は、昨年の忘年会で知り合ったマキちゃんがヴォーカルとして来てくれました。
やはり、女性ヴォーカルが入るとバンドの印象も変わるね。
我々のバンドはレザールの中では珍しく早稲田ジャズ研の色が濃いというか、ゴリゴリとハードに”ダンモ!”という感じなのですが、その色が和らぎました。
これからも、スケジュールが合えば来てくれるとか。

まぁ、そのせいもあって演奏時間が延びてしまい、またまた品川回りになってしまいましたけど(笑)唄伴も、また楽しからずや。

今月も代官山で、盛り上がるぞ!
[PR]
# by dairoku126 | 2017-04-06 09:45 | 音楽 | Comments(0)

『楽園のカンヴァス』原田マハ

e0171821_10383367.jpgこの本は、面白かった。

内容はというと…「ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。」

直木賞の候補にも上がったようですが、獲得はならず。
辻村深月が選ばれています。
ただ、その回の選評を読んでいても宮部みゆき、浅田次郎、阿刀田高などには強い印象を与えたようです。この選評というのも、審査委員がどこに力点を置いて本を読んでいるのかが分かって面白いものです。

確かに、人物像が深掘りにされてなかったりするところはありますが、とにかく目の付け所が良い。こんな美術品市場をテーマにしたミステリーというのも日本では珍しい。
作者が美術館のキュレーターをやっていた経験が活かされています。
原田宗典の妹だったんですね。

続編を書いて欲しい!と思わせる本でした。

[PR]
# by dairoku126 | 2017-04-05 10:54 | | Comments(0)

逃した魚は…。

e0171821_15560009.jpg
引地川沿いの道を歩いていたら、釣りをしている人を発見。
しかも、大物を釣ったようでリールを巻き上げるたびに、釣り竿が大きくしなる。
手元まで引き寄せ、なんとか引き上げようとタモが登場して来ました。
e0171821_15560440.jpg
ところが、敵も然る者。なかなか、タモに入ろうとしません。
まぁ、魚にしても必死だもんね。
さんざん苦労してタモに入ったのを引き上げたら、なんと大きな穴が…。
逃した魚は…という言葉通りに大きな鯉でした。
e0171821_15560838.jpg
T-SITEまで歩いての帰り道、八部公園の裏道を歩いていたら元気なかけ声。
少年野球チームが体操しながら、グラウンドの周りの道を歩いていた。
思わず見とれていると、全員が”こんにちは”と声をかけてくる。
近頃の少年たちは躾が良いのか、それともチームとしての決まりになっているのか?
気持ち良い朝の散歩でした。

[PR]
# by dairoku126 | 2017-04-04 16:05 | 鵠沼 | Comments(0)

突然の、春!

e0171821_13340529.jpg
目覚めたら、春になっていた。
昨日までとは、明らかに空気が入れ替わっているようで、着るものも春の感じにしました。
今後の天気予報を見て、朝の掃除の前に長火鉢を片付けることにしました。

ついでに庭に出てみたら、カロラインジャスミンも大きな蕾を…。
e0171821_13333493.jpg
風知草も、あっという間に芽を伸ばして…。
e0171821_13332485.jpg
金マサキも、新芽が出て来たので古い葉を落とすので、毎朝の道掃除が大変。
e0171821_13334316.jpg
クリスマスローズも、順調に育っています。
もう、冬に逆戻りはしないだろうな。

昨日まで冬の空気に覆われていたので、我慢していたのでしょうね。
植物たちが今日の陽気にノビノビとしているように見えました。
やっと、春の訪れです。

でも、昨日の帰り道に見た鎌倉山の桜は、やっと1〜2分咲きというところでした。
今週末かな、見頃は…?


[PR]
# by dairoku126 | 2017-04-03 13:42 | 季節 | Comments(0)