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「謎手本忠臣蔵」

e0171821_935296.jpg歌舞伎・映画・ドラマ、はては「ザ・カブキ」というタイトルでモーリス・ベジャールがバレエにまで仕立てた「忠臣蔵」。
この「忠臣蔵」という、あまりにも有名なテーマを書くには独特の視点というか、「並」でない切り口から書いていかないと作家の力量が問われることになる。
さまざまな側面から多数の作家が挑戦していますが、池波正太郎は「おれの足音」で大石内蔵助の内面に焦点を当てているし、藤沢周平は「用心棒日月抄」で裏のテーマとして描いています。
また、情報戦をしかけるという側面から新しい「忠臣蔵」を描いた池宮 彰一郎の「四十七人の刺客」なども新鮮なものでした。

山一証券専務から経営コンサルタントを経て、2005年に75歳にして「信長の棺」で作家デビューした加藤廣がビジネスの世界で身につけた方法論からユニークな視点で描いた「本能寺三部作」は歴史の常識というものを見事に引っ繰り返してみせたものですが、その人が「忠臣蔵」を描くとどうなるか?という興味本位で書店に並んでいたのを手に取りました。いやはや、流石です!
上・中・下3巻をアッという間に読み終わりました。
実は「中」があるのを知らず、書店に並んでいた「上」・「下」だけを買ってきてしまい、途中で慌てて「中」を買いに走ったのですが…。

この本の「あとがき」で知ったのですが、実は吉良上野介の息子が養子に入った上杉家からは助っ人がほとんど入っていなかったのですね。吉良邸には…。
ほとんどの作家が「仮名手本忠臣蔵」を下敷きに書いているし、あまりにも呆気なく討ち果たしてしまうとドラマ性が乏しくなってしまうので上杉家援軍説を採っているのでしょう。

この本の面白さは、御側用人・柳沢保明にスポットを当てていることです。殿中での刃傷事件に老中・若年寄など世襲の(=無能の)連中がオロオロとする中、事件の情報を詳細に分析した上で、将軍・綱吉に事件の報告をするなど有能な秘書室長という感じ。
また。将軍・綱吉と柳沢保明とが極秘に進めている「桂一計画」(綱吉の実母・桂昌院に従一位を天皇から賜る)というものを、刃傷事件のキーファクターとして捉えたところが今までにないものです。朝幕関係の中から「忠臣蔵」を描いたのは初めてでしょう。
また、実際に残っている堀部安兵衛の大石内蔵助との書簡を上手に使っています。
これを見ると、堀部安兵衛は、単なる剣術が上手い「暴れん坊」ではなかったんですね。

この作家のビジネスで鍛えられた「視点」というものは「並」ではないですよ。
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by dairoku126 | 2013-04-30 10:32 | | Comments(0)

RIP! Taroちゃん。

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一昨年の秋の旅行の時に周防大島で温かく出迎えてくださったトンプソンさんの愛犬・タローちゃんが天に召されたとのお電話を先ほどいただきました。
その時のことは、このブログにも書きましたが、トンプソンさんとのご縁も僕の愛犬ウェンディが病気と闘っていた時にブログに書き込んで来てくださって以来のこと。
あの時の応援メッセージが、ホントにありがたかった。
賢そうな顔をしたタローちゃんは、目も鼻も黒々と艶が良く、元気な様子だったのに…。

残念なことに、犬の寿命は人間に比べて遙かに短いので、悲しい思いをしなければならないのは人間の方のことが多いのです。でも、楽しい時間を共に過ごすことが出来たのは、どちらにとっても得がたい時間。
僕の友人の編集者が言いました。「幸せな犬は、いつも笑顔」だと…。

愛犬を喪った悲しみは、自分の経験からも簡単に過ぎ去るものではありませんが、
トンプソンさんの悲しみが、一日でも早く癒えることを願っています。
タローちゃんも、祈っていることでしょう、きっと。
悲しいママの顔は、見たくないもんね。

合掌!
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by dairoku126 | 2013-04-28 16:40 | 友人 | Comments(1)

今日は、体験会の手伝い。

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通常の練習で、ガッチリと漕ぎ込んだ後は、体験会の手伝い。
福生のサッカーチームの中学1年生40人が、今年もアウトリガーカヌー体験をしに来てくれました。中学1年だけで40人というのも凄いですよね。お天気が良くて良かった。
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40人が同時に乗れるほどカヌーが無いので、前半チームと後半チームに分けて、前半は江の島を回って東浜まで漕いで行きます。後半チームは東浜からカヌーに乗り込んで、逆コースで西浦まで戻るということになりました。
大きな声を出しながら、一生懸命に漕いでくれました。
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少し風が上がってきたので、海に入るには寒いと思うのですが、若さなんでしょうね。
一人が入ると「うわっ、冷てー!」なんて言いながらも…。
東浜へ着くと、先に来ていた後半チームの中にも海に入った子が居たらしく、寒い!なんて言いながらも楽しそうでした。

僕がステアをしていた艇では、一人が船酔いをしてしまったようですが、それ以外は何事もなし。まぁ、無事がなにより。
この体験会を通して、海が好きになってくれる子が居ると良いのですが…。
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by dairoku126 | 2013-04-28 16:03 | アウトリガー | Comments(0)

やっぱり「真田太平記」

e0171821_13453426.jpg池波正太郎というと、直ぐに「鬼平」「剣客商売」「仕掛け人・藤枝梅安」の3つのシリーズが連想されますが、「真田もの」というのも実に捨てがたいものです。
直木賞を受賞したのも1957年の「錯乱」(「真田騒動 恩田木工」に収蔵)ですし、73年の「獅子」、そして74年から9年間に渉って連載された「真田太平記」。

僕が池波正太郎に嵌まったのは「梅安シリーズ」からですが、この「真田太平記」は池波正太郎が気力も体力も充実した時期に、長年温めて来た題材を9年間に渉り連載しただけあって、実に読み応えのある物語。文庫本12巻の長編ですが、破綻がないし、前後の辻褄がピタッと合っているのは流石です。
過去に何回読み直したかは忘れましたが、昨年の年末に再び読みたくなって活字が大きくなった改訂版を求めてしまいました。それというのも、この「真田太平記」を読むのはベッドの中で就寝前にと決めていたので、以前の小さな活字ではさすがにしんどかったのですよ。
未だに老眼にはならないものの、小さな活字だと直ぐに目が疲れてしまうので…。
30代から読んでますが、やはり60代半ばで読むと以前とは違うところに気付くというか、年寄りの感情が分かるようになったというか、以前とは違う楽しみ方が出来ました。
それにしても、この本のおかげで知った「小野お通」という女性は、当時のスーパーレディというか、実に多方面に才能を発揮した女性ですね。
この人の「お通流」とまで言われた「書」というのも素晴らしいものです。
実は、彼女の研究書というのを持っていたのですが、「書」を見たいからと言われて貸したまま…。それも、一緒に仕事をしていた有名なコピーライターに貸したことまでは憶えているのですが、それが誰だったかを忘れてしまったんですよね。
その頃は、結構仕事ごとに有名コピーライターと組むのを楽しんでいたもんで…。

e0171821_14215819.jpgまぁ、そんな訳で、寝る前のひとときにだけ読んでいたので、全巻読み終わるまで4ヶ月ほどかかってしまいました。
そして、「真田太平記」を読み終わると、その続編とでもいうべき「獅子」まで読まないと終わらないのですよ。
これは「真田太平記」が上田から松代に国替えとなって真田信之が上田を去っている場面で終わるのですが、「獅子」は松代で隠居をした真田信之が主人公。
しかも、当時としては破格の90歳という年齢での事件です。
家康に可愛がられ、2代将軍秀忠には疎まれた信幸も、3代将軍家光・4代将軍家綱の頃には幕府草創期を知る大名として尊敬されていたのですが、藩主に据えた次男・信政の急死、そして幕府には届けていなかった庶子の相続問題で老中・酒井忠清との暗闘をテーマにしたのが「獅子」。
「信濃の獅子」と称えられた信之の老いても衰えない知力を振り絞っての闘いが見事です。

見事に領国を守り抜いた信之の後は、松代真田家は明治維新まで続きます。
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by dairoku126 | 2013-04-27 14:47 | | Comments(0)

GW初日。

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まぁ、僕のように毎日がGWのような生活を送っている人間にとっては関係ないのですが、世間的にはGWなのですよね。
ということで、朝から江の島に向かう道もいつもの土曜日よりも混雑しているような?
今日は、風があったけども海と川の両方で練習。
しっかりとメニューをこなすには、風と波の影響が少ない川で…。
そしてメニューを一通りこなした後は、海に出ました。
定置網のある赤い旗を目指して漕ぎ上がり、そこでターンして戻るというコースです。
風のある中で沖に出るのは初めてなので、もうドキドキ。
赤い旗でターンすると、江の島はこんな具合に見えます。
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ターンしたところで、しばし休憩。
富士山も、クッキリと見えて良い景色なんですが、あまり楽しむ余裕無し。
それでも、無事に西浦に戻ることが出来ました。
後で聞いたら、1艇はフリ(転覆)したみたい。
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キッズたちのTシャツが出来上がりました。
上級生のクラスは、ブルーのTシャツ。
リトル・クラスは、スカイ・ブルーのTシャツと、一目で分かるようになりました。
コーチは、上級生の時はスカイ・ブルー、リトル・クラスの時はブルーのTシャツを着て…。
なかなか可愛いでしょ。
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先週の寒さがウソのように、温度が上がってきたので今日はトランクスで十分。
ま、フリしなければの話ですけど…。
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弁天橋も、修理が終わって開通しました。
GWには江の島でイベントが沢山あるので、なんとしてでも間に合わせたのでしょうね。
参道は、もの凄い人出でした。
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by dairoku126 | 2013-04-27 13:29 | アウトリガー | Comments(0)

いつの間にか…。

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昨朝、雨上がりだったのでほったらかしにしていた庭仕事を…。
すると、突然のように家の周りに花が咲き始めていました。
クレマチス。蔓が数本上に伸びていると思ったら…
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カロライン・ジャスミンに巻き付くように上がって行って、そこでも花を咲かせてました。
カロライン・ジャスミンは、他にも蕾が沢山あるのでこれからが楽しみです。
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名前は分かりませんが、いつの間にか群生してグランド・カバーとなった白い花。
これは、綺麗なので広がるに任せてます。
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アブチロンも、今年は赤い花の数が多い。
でも、我が家から見るよりお隣のガレージの方が見た目が良いのですが…。
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ジャーマン・アイリスは、この写真を撮った時に蕾だったものまで、今朝は咲いていました。
頭デッカチのようなプロポーションなので、倒れそうな危うい感じになってます。
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ヒメソバは、これまた家の周りに飛んで、所構わず出てきます。
でも、可愛らしいので余程のことがない場所以外は放任してます。
陽当たりが良すぎると、ピンクの花の色が白っぽくなってしまうんですけど…。
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そして、ナニワイバラは咲き出したと思ったら、一気に咲き乱れました。
せいぜい、切り花にして両親の写真の側に飾ってあげないと…。

ゴールデンウィークの直前になって、やっと季節らしい気候に戻ってきましたね。
もっとも、今日の午後は大荒れになりそうな予報ですが…。
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by dairoku126 | 2013-04-26 12:48 | 生活雑感 | Comments(0)

昨夜は、絶不調。

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久しぶりに、サックスのタカギ君が参加したのに、なぜか絶不調。
どういう訳か、トーンコントロールが定まらない。あれこれ、調整はしてみたのですが、音色が思い通りに行かず、自分で自分の出している音が気分悪い。
こうなると、もうダメです。録音したものを聴いてみると、うわっ!
まぁ、こんな日もあるさ。もっと、練習するしかないですね。
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それに比べて、チャン・リー・ホのトリオは、実にゴキゲンな演奏を聴かせてくれました。
これで、気分も持ち直しました。良い演奏は、気分を引き立ててくれます。
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お店に顔を出した常連さんで1セット。
エディ君が新しいベース・マイクをテストがてら使ってみたら、結構いい音。
値段を聞いたら、ビックリするほどリーズナブルな値段でした。
その後は、ベーシスト3人がジーキマのN.Y.でのレッスン体験をネタにベース論議。
これは聞いていて面白い話ばかりでした。
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by dairoku126 | 2013-04-25 11:36 | 音楽 | Comments(0)

久しぶりに、七里沖。

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今日の練習は、きっちり6人。ちょうど1艇分の人数です。
コーチのシュンが神の座(6番シートの後ろ側は、神様が座る場所といわれている)でステアを務めながら、かなりシビアにタイミングやインパクトの位置などをコーチしてくれました。
僕の場合は、しっかりと漕ごうとするあまり、後ろまで曳きすぎてしまうことが判明。
それとインパクトの位置が水に入った瞬間では無く、少しずれてしまっているようです。
分かっちゃいるけど…ムツかしいんですよ。
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一人ずつ漕がされたり、結構シビアに練習は続きます。でも、海の上は気持ち良いから…。
小休止したときに、上を見たら日輪が出ていました。
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正確に言うと、暈(かさ)というらしい。
薄雲で出来る虹のようなものですから白虹(はっこう、しろにじ)ともいうそうです。
「太陽や月に暈がかかると雨が近い」という言い伝えが伝わっている地方は多いようですね。
明日から雨との天気予報どおりになるのでしょうか?
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こんな珍しい気象現象に出会えたせいか練習のキツさの割に、みんなニコニコしてます。
この後、25分間漕ぎ続けて江の島を回り込んで一気に西浦に戻りました。

今週末には、なんとかトランクスで漕げそうな気温になりそう。
やっと、気持ち良い季節が巡ってきたのでしょうか?
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by dairoku126 | 2013-04-23 14:37 | アウトリガー | Comments(0)

寒→温。

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カランと晴れたのですが、週末の寒さが大気中に残っていました。
久しぶりに姿を現した富士山の雪の線も、大分下の方まで下がっていました。
昨日の雨が富士山では雪だったのでしょうね。
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それでも、カヌーの練習に集まったメンバーの中には太陽の光に誘われるようにトランクス姿がチラホラ。この時間、まだ気温はヒトケタですが…。
北風が強かったので、今日は川で練習。月曜日だというのに、3艇も出ることに…。
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風に逆らっての上りは、結構ハード。
上流で、メンバーの入れ替えをしたのですが、カヌーを並べて慎重に乗り移ります。
夏なら飛び込んで、替わるのですが…。冷たい風が吹きすさぶ中では、ちょっと、ね。
川を上下しているうちに風が止み始めたら、太陽の温かさが勝り始めました。
まさに、北風と太陽の喩え通り。
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風が止んだので、海に出たのですが、その時にはこんなスタイルに…。
前3人、上半身ハダカです。

今日は麻ちゃんが居たので、練習後に彼女の指導でストレッチ。
プロのトレーナーが居ると、助かります。
ちゃんとストレッチしておくと、明日の朝の筋肉痛が違うから…。
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by dairoku126 | 2013-04-22 17:19 | アウトリガー | Comments(0)

やはり、モームは面白い。

e0171821_12225672.jpg近代の短編小説にはチェーホフの系譜とモーパッサンの系譜の2つのタイプがあるとかで、チェーホフの方は情緒的で一つのムードとか人生の漠然とした印象を伝えるのに対し、モーパッサンの方は理知的で話の面白さを身上としているとか。
その系譜からいえば、モームは明らかにモーパッサンの流れを発展させた作家といえるでしょう。緊密に構成され、起承転結があり、小洒落た「落ち」が利いている。

僕が20代の頃は新潮文庫から中野好夫訳のモームの作品が幾つも出されていたのですが、その頃買ったものは黄ばんでボロボロになっていたので10年ほど前に処分してしまいました。
最近、無性にモームが読みたくなって書店に行ってみたら、短編は「雨・赤毛」のみ、長編でも「月と6ペンス」「人間の絆」しかありません。他は絶版になってしまったようです。
あの頃のモーム人気はどこへ行ってしまったのでしょう?
英語の教科書にまで載っていたのに…。仕方なく他社の文庫を探していたら岩波文庫から行方昭夫編による「モーム短編集」(上・下)が出ていたので、代官山への行き帰りなどに読んでいました。電車の中で読むのに、短編というのは良いんですよね。

この年齢になって改めてモームを読むと、若い頃に読んだのとは違う面白さが分かります。
そして、描かれているテーマが古びていないというか、人間のやることは変わらないのか?
上巻冒頭の「エドワード・バーナードの転落」という話などは、実に秀逸です。
1920年代、自動車産業が発展を続けるシカゴを支配した価値観ー国の発展、繁栄を信じ、あくせくと働くことによりビジネスの成功と、それによって得られる裕福な生活が人生の目標であるーに染まった青年の目を通して、没落してタヒチに渡った親友が捲土重来を目指すどころか違う人生を送り始めたことを「転落」「堕落」という以外に理解しようがない生活を送っていることを描いたものです。人生の目標を「成功」という価値観からしか理解しようとしない人間に対して、タヒチで「転落」した青年の生活がいかにも楽しげで、生き生きとしたものに描いている。タヒチで彼に影響を与えたシカゴのビジネス界の実力者であったが「詐欺」を働いたのがバレた後に当時未開の地・タヒチに隠遁したアーノルド・ジャクソンという人物が生き生きと魅力的な人間として描かれているのがモームらしいと言えるのでしょう。
これなどは、読みながら池波正太郎の「人間良いことをしながら悪いことをし、悪いことをしながら善い人間であろうとする」なんて言葉を想い出してしまいました。

この短編集は、2008年に100を超えるモームの短編の中から18篇を厳選して編まれたとのこと。すべてにモームの機知とユーモアが鏤められた短編集といえるでしょう。
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by dairoku126 | 2013-04-21 13:33 | | Comments(0)