『暁の旅人』、『夜明けの雷鳴』吉村昭

e0171821_11591022.jpg松本良順と高松凌雲、幕末から明治にかけての混乱の中で日本の医学を大きく前進させた二人です。しかも、二人とも幕臣。
前にこのブログに書いた『白い航跡』の海軍医学総監・高木兼寛と合わせて、僕は勝手に吉村昭の医学三部作と呼んでます。

『暁の旅人』の主人公・松本良順は、佐倉藩で病院兼蘭医学塾「佐倉順天堂」を開設していた佐藤泰然の息子。
父の親友で幕府奥医師であった松本良甫の養子となり、長崎伝習を命じられ、ポンペの下で実践的な西洋医学を身につける。
将軍侍医として14代将軍家茂の治療に当たり、新選組の近藤、土方とも親交を結び隊士の診察なども行うようになる。

戊辰戦争では幕府陸軍の軍医、そして奥羽列藩同盟軍の軍医として漢方医たちに銃創などの処方を教えるが、仙台で榎本武揚に箱館行きを懇願されるも、土方歳三に江戸に戻るように勧められ、横浜で一時投獄されるが赦免され、早稲田に西洋式の病院を設立、山県有朋に懇請されて兵部省に出仕して大日本帝国陸軍初代軍医総監となる。
まさに医師として賊軍から官軍最高位までという波瀾万丈の生涯です。
それだけ、彼の知識と手腕は、明治の初年にあってはかけがえのないものだったのでしょう。
晩年は、大磯に引き込み、悠々と日を送ったようです。
ちなみに日英同盟を結んだ時の初代駐英大使・林董は、松本良順の実弟。

e0171821_11591397.jpg『夜明けの雷鳴』の主人公・高松凌雲は、一橋家の専属医師。
ちょうど一橋慶喜が15代将軍となったので、将軍の名代としてパリ万国博覧会に赴く将軍の弟・昭武に随行して西洋医学を修めるよう申しつけられ、万国博終了後はパリで医学生として「神の家」という病院を兼ねた医学校で学ぶ日を送る。
幕府瓦解の報に帰国、榎本武揚に合流して箱館戦争に医師として従軍。箱館病院の運営を榎本から任され、フランス時代に身につけた医学の精神に基づき、敵味方の分け隔てなく治療に専念。
日本初の赤十字的行為として医学史に残る働きをする。
その働きに政府軍の軍監である薩摩藩士が病院の安全を確保すると共に、榎本軍との停戦を斡旋する文書を書くことを依頼する。

箱館戦争後は、東京に戻って病院を開設。松本同様に新政府からの出仕するように誘いが来るものの、町医者としてパリで学んだ「神の家」の精神を実現するべく、医師会の会長として仲間に呼びかけ、貧民を無料で診察・治療する組織「同愛会」の設立を提案。
民間救護団体「同愛社」が榎本武揚、渋沢栄一、大隈重信などの賛同も得て、スタートした。
最後まで「町医者」として民間治療に徹した人生を描いて行く。

明治の初年に日本の医療の近代化に尽くした三人(高木、松本、高松)の姿を丹念な資料の読み込みで、正確に史実を紡いで行く吉村昭の作品です。
この人の飾らない、淡々とした文章とには、いつも感心させられます。






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# by dairoku126 | 2017-10-21 15:12 | | Comments(0)

台風対策、完了!

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発達しやすい秋の台風が不気味に迫ってきているので、晴れ間を利用して台風対策。
まずは、外の日除けがバタつかないように、しっかりと縛りました。
南寄りの風速30m/sec.が予想されるだけに、少しでもバタつくと生地に傷がつき、そこから裂ける恐れがありますからね。
まぁ、すべて外してしまうということも考えられるけど…。
状況を見て、考えます。
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風で倒れそうなプルメリアを屋内に避難。
ついでに寒さに弱いものも、一緒に入れてしまいました。ここのところの寒さは尋常じゃないし…。
花が咲いている間に家の中に入れるのなんて、初めてです。
昨日は10月としては79年ぶりの寒さだったとか。
このまま冬を越して温かくなるまでは、ここにて冬眠。

今度の台風は、日本に近付いた頃には935hpaまで発達しそうなので要注意です。
明日は、練習がなくても材木座に台風対策で集合がかかったので、ビショ濡れになっても良いような格好で行かないと…。


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# by dairoku126 | 2017-10-20 13:01 | 生活雑感 | Comments(0)

『死の淵を見た男』門田隆将

e0171821_10161075.jpg今年の夏以降、訃報が相次いでいます。
それも、僕が元気で居る姿を見かけた2日後にとか、家族さえも予期しないような突然死が立て続け。
弟の死を我が家まで知らせに来てくれた同級生の誘いを受けて、昨夜は小学校の同級生が集まりました。
未だに某M新聞社で記者として現役で記事を書いているものもいれば、僕のようにのほほんと暮らしているなど、それぞれに歩んで来た道は違うけど、話が始まれば違和感なく溶け込めてしまうのは不思議な感覚。のんびりした時代に育ったからなんでしょうか?

さて、この本はカナダの大学教授になった甥っ子が来日した折りに教えられた本。アメリカ育ちの甥は物理学(しかも原子力制御が専門)という遠藤家には珍しい理工学系。かつては東海村で研究していたこともあります。
あの大震災の後も、福島第一原発のことで日本を訪れ、N.Y.Timesに寄稿したりしていました。彼が書いたレポートは英語で書かれていたので、僕の語学力では良く分からない…と言ったら、この本を薦めてくれました。

津波による全電源喪失という未曾有の惨事に、現場の所長であった吉田昌郎と彼の下で「死」を意識しながらも暴れ始めた原発を制御しようと奮闘した男達の闘いが描かれています。
読み進むうちに空恐ろしくなってきました。
彼らの数日間にわたる不眠不休の壮絶な闘いが無ければ、日本の⅓は人が棲むことのできない場所になっていた。北海道と関西以西以外の土地はすべて汚染され、東北・関東・中部の人間はすべて強制退去という悲惨な状況が紙一重で救われていたのです。

同時に日本の組織というのは、相も変わらず現場任せという欠陥が改められていないことに憤りを感じました。有事に対処するのは現場に任せ、それに対する二重・三重の危機管理がまったく出来ていない。「想定外」という便利な言葉ですべてを片付けてしまう鈍感さです。
真っ先に浮かんだのが、ノモンハン事件と同じじゃないか!ということ。
利益優先でなすべきことを怠り、原子力という「化け物」を甘く見ていた幹部や政治家たち。
戦前の軍隊組織の欠陥が、そのまま温存されているかのような企業経営者の感覚の鈍さです。

放射線量が上がる中、決死の覚悟でベントに挑む(しかも人力で…)男達の姿を”美談”にしてしまうと、「永遠の0」のように物事の本質をねじ曲げたことになることを著者は分かっているようで冷静なドキュメントを綴っていきます。詳しい内容は、こちらを。

関西電力が採算が合わないと大飯原発を廃炉にするという記事が出たばかりですが、いままで電力コストが一番安いのが原発だと叫んできた政府・経産省はどうするのでしょうか?

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# by dairoku126 | 2017-10-19 11:40 | | Comments(0)

晴れた!でも、風強し。

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今日も、朝7時からの練習。なんとか晴れてくれました。
6時台だと、なんとなく朝日の赤が残っている感じですね。
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カヌーを艇庫から運んでセッティングして、海に出たのは40分後。
もう、同じ向きでも光が違います。
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北寄りの風が強く、しかも途中から吹きつのってきたので沖には行かず、カブネで波乗りをすることに…。良いうねりが入り始めたので、楽しめました。
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後ろの方は、気持ち良さそうですがオフショアに向かって波乗りすると1・2番はビショ濡れ。
パドルシャツの上にウィンドブレーカーを着て行って良かった。
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ということで、今日は距離は短かったけど波乗りのスピードを楽しめました。
ビーチに戻るにも、向かい風に逆らいながらなので大変でした。

週末は、台風21号の影響がありそうなので、今日漕いでおいて良かった。





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# by dairoku126 | 2017-10-18 11:52 | アウトリガー | Comments(0)

冷たい雨が…。

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先週の金曜日から降り続いている、冷たい雨!
水曜日、木曜日と9月初旬の陽気が一転して11月下旬になってしまったから、カラダがついていかない。洋服も秋冬ものに入れ替えました。

この冷たい雨の中で、パイナップルはどんどん成長してます。
小さかった新芽(?)も、力強く大きくなっている。
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プルメリアも、残りわずかな花を健気に咲かせてくれています。
この寒さが続くようだと、例年よりも早く家の中に入れてやらないといけないかな?

明日は、秋雨前線が停滞する中で貴重な晴れ間が期待出来そうです。

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# by dairoku126 | 2017-10-17 09:49 | 季節 | Comments(0)