『合戦の日本史』、『「司馬遼太郎」に学ぶ日本史』

e0171821_15593443.pngどちらの本も、有隣堂の新刊書の棚で見つけ、立て続けに読んだのですが、どちらも面白かった。

合戦の日本史』は、当代きっての歴史小説作家が語り合う形式。
桶狭間の織田信長から豊臣秀吉、徳川家康の三英傑、幕末の西郷隆盛までをそれぞれが読み込んだ資料を基に人物像を浮き上がらせて行くさまが興味深く、それぞれの人物解釈が面白い。
残念なことに、最初の対談後に山本兼一が鬼籍に入ってしまった。

信長、秀吉、家康の3人については、かなりイメージが出来上がった人物なのですが、その常識に囚われずに時代背景や経済的な政策まで含めて語り合ううちに「なるほど!」という像を浮かび上がらせてしまうのは、流石です。まぁ、作家というのはそれだけオリジナリティが求められるからなのでしょうけど…。

e0171821_16194167.png磯田道史『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』は、歴史学者が語ろうとしなかった歴史作家・司馬遼太郎へのオマージュともいう著作。
序章の中で、司馬遼太郎はただの歴史小説家ではなく、「歴史をつくる歴史家」と規定しています。
引用すると『歴史というのは、強い浸透力を持つ文章と内容で書かれると、読んだ人間を動かし、次の時代の歴史に影響を及ぼします。それを出来る人が「歴史をつくる歴史家」です』という意味。
日本史上では、「太平記」の小島法師、頼山陽、徳富蘇峰、そして司馬遼太郎しか居ないと…。

そして、「司馬史観」というものに対しては、司馬遼太郎は「大局的な視点、世の中に与えた影響という点から、可能な限り単純化して人物評価していることを理解しなくてはなりません。司馬作品を読むときには、一定の約束事、言わば「司馬リテラシー」が必要…」と解き明かす。
まぁ、「龍馬史」でも同じようなこと書いていましたが…。

単なる作家論というよりは「日本の歴史の流れを見つめてきた」歴史学者が、司馬遼太郎へのオマージュに仮託して綴った現在の日本の状況への「警告の書」とも言えるのかも。

どちらも、読んで損はありませんよ。


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by dairoku126 | 2017-08-12 16:52 | | Comments(0)


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