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『昭和史の10大事件』半藤一利、宮部みゆき

『昭和史の10大事件』半藤一利、宮部みゆき_e0171821_10553023.jpg”歴史探偵”半藤一利と作家・宮部みゆきが選んだ「昭和史の10大事件」。この二人は、高校の先輩・後輩にあたるとか!
この二人が、対談形式で昭和の歴史を紐解いて行く。

それぞれが選んで持ち寄った”10大事件”のセレクションを見ていると「いかにも!」という感じで面白い。
東大ボート部に所属していた半藤一利が、オリンピック代表選考レースで慶應に30cmの差で敗れた敗戦後初のヘルシンキ・オリンピックを語るなど”昭和史”の生き証人として自分史を織り交ぜながらの対談ですから、現実味が膨らむ。
僕が、この二人のちょうど中間の世代ですから、子供の頃のこととして朧気に覚えていることもあります。

二人が選んだ10大事件とは…
1.昭和金融恐慌、2.二・二六事件、3.大政翼賛会と三国同盟、4.東京裁判と戦後改革、5.憲法第9条、6.日本初のヌードショー、7.金閣寺消失とヘルシンキ・オリンピック挑戦、8.第五福竜丸と『ゴジラ』、9.高度成長と事件ー公害問題・安保騒動・新幹線開業、10.東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)というラインナップ。

憲法第9条の文言が第一次大戦後にパリで結ばれた戦争放棄に関する「不戦条約=ケロッグ・ブリアン協定」第一条の文言を取り入れたものであり、改憲論者の言うような「アメリカによる押しつけ」などでは無いことを論証していきます。
宮部みゆきが提示した「金閣寺消失」事件は、三島由紀夫・水上勉が小説として書いていますが、やはり作家として捨てて置けない題材なのでしょうね。
「アプレゲール」という言葉も、この事件の後から使われ出したようです。

まぁ、とにかく「昭和」という長く、また価値観の大転換を含む時代を「10大事件」に象徴される事柄により理解するには格好の良書です。




by dairoku126 | 2017-06-30 11:30 | | Comments(0)


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