東京国立博物館で開催されている『
茶の湯 特別展』の終わりが近付いてきたので、見に行ってきました。東海道線が東京上野ラインになったので、上野までは乗り換え無し。
日頃ブータラ言っては居ますが、こんな時は便利だ(笑)
上野駅を降りると、すでに凄い人!
上野公園を通り抜けて、トーハク(国立博物館のことを最近は、こう言うらしい)に近付くと、やけに和服のご婦人が増えてきました。お茶をやっている方たちなんでしょうね。
内部の様子は撮影禁止なので、足利将軍家の集めた唐物から始まって、佗茶、佗茶を完成させた千利休、小堀遠州と松平不昧、そして近代の数寄者と時代を追って展示してあります。
同じ黒楽茶碗といっても「黒」の色が時代によって、漆黒に変わってくるのが分かります。
長治郎の黒楽茶碗(上が方形、下が円形)になっているものが、素晴らしかった。
一カ所だけ撮影許可になっていたのが、織部の茶室を復元したもの。
二畳だけの簡素なつくりになっています。
展示品が会期の中でも入れ替わるので、窯変の茶碗は残念ながら見ることが出来ませんでした。
足利将軍家から戦国大名、利休、そして江戸時代の武士の茶道、豪商、そして近代の数寄ものといった時代変遷を見るにつけ、やはり利休の美意識が際立っているのが良く分かりました。
あの美意識を通そうとしたら、信長とは共感しても、派手好みの秀吉とはぶつかるわ。
それほど凜とした道具ばかりでした。
発見は伊賀焼の奔放さ!
そして谷崎潤一郎「陰翳礼賛」に書かれていた通り、もっと薄暗いところで見た方がさらに魅力的だったんだろうな…と納得したこと。
まぁ、展示するからにはディテールまで見えるほど、照明を明るくしないといけないのでしょうが、茶室というのは光を遮断するように窓の上に庇を長く伸ばして弱くなった光を障子でさらに光を弱めるという薄暗いところですからね。
見終わって外に出たら、初夏の陽気になっていました。
この後、神田明神にTシャツを買いに行ったり、揚子江でお昼を食べたり、さぼうるで珈琲を飲んだりと神田界隈をぶらついてから帰りました。
なんと1万歩以上歩いたよ。都会は歩くよね。