『太陽の棘』原田マハ

e0171821_10132121.jpg相変わらず、原田マハに嵌まっております。
その中でも、この『太陽の棘』は、素晴らしい作品です。

米軍の統治下に置かれた1948年の沖縄。
沖縄戦で荒廃した故郷に東京美術学校出身の画家たちが集い、ニシムイ美術村を作った。
沖縄駐留軍の精神科医が彼らと出会い、アートを媒介に交流を深めていくエピソードを中心に、戦後の沖縄を描いている。

原田マハ自身が語っているように、まさに「奇跡の出会い」に突き動かされて書いたエネルギーが感じられます。

彼女がキュレーターという経歴・知識を活かして書いた「楽園のキャンバス」「ジヴェルニーの食卓」は、まだ構想すら出来てない時に書かれた話。

物語の中では「エド」という名で登場する精神科医・スタンレー・スタインバーグ博士から資料提供と話を聞いたこと、また彼の集めたニシムイ・コレクションが沖縄に里帰りして展示されたことは素晴らしいこと。ちなみに、表紙として使われている肖像はスタインバーグ博士を玉那覇正吉が1948年に描いたもの。

原田マハのデビュー作「カフーを待ちわびて」も沖縄が舞台ですし、派遣社員が社内新規プロジェクトに応募して沖縄産のラムを製造する会社の社長になるという実話を下敷きにした「風のマジム」も沖縄ならではのもの。
佐藤優が「解説」で述べているように、日本人(本土人)が沖縄のことを書くのは難しいことですが、踏みそうな地雷を巧みに避けている。

沖縄には仕事で2回ほど行きましたが、その時は仕事に追われて何も見ていない。
この本を読んで、「奇跡の出会い」がもたらした作品群を観に行きたいと思いました。

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by dairoku126 | 2017-05-13 10:58 | | Comments(0)


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