暑い日が続くと、難解な本を読むのが面倒になる。
読後感が爽やかなものを読みたいな、というところに
あさのあつこの『燦』の最終巻が出ました。
各巻ともに、200ページにも満たない文庫本書き下ろし。
それが2011年から毎年1巻づつというようなスローペースで書き継がれてきたのですが、今年になって5月、8月と立て続けに出されて最終回を迎えることになりました。
内容としては、あさのあつこが得意とする少年のストーリー。
AMAZONには第1巻の解説として「江戸から遠く離れた田鶴藩。その藩主が襲われた。疾風のように現れた刺客は鷹を操り、剣も達者な謎の少年・燦。筆頭家老の嫡男・伊月は、その矢面に立たされるが、二人の少年には隠された宿命があった―。尋常でない能力を持つ「神波の一族」の正体とは?少年たちの葛藤と成長を描く著者待望の文庫書き下ろし新シリーズ第一弾。」とありますが、その通りにハラハラドキドキの物語は展開していきます。
痛快で、爽やかで、センチメンタルで…まさに少年の成長物語を描くのが得意な「あさのあつこ」ならではの小品です。暑さを忘れるには、とても良い物語だと思うんだけど、5年もの歳月で小出しにする理由でもあったのかしら?