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やっぱり「真田太平記」

やっぱり「真田太平記」_e0171821_13453426.jpg池波正太郎というと、直ぐに「鬼平」「剣客商売」「仕掛け人・藤枝梅安」の3つのシリーズが連想されますが、「真田もの」というのも実に捨てがたいものです。
直木賞を受賞したのも1957年の「錯乱」(「真田騒動 恩田木工」に収蔵)ですし、73年の「獅子」、そして74年から9年間に渉って連載された「真田太平記」。

僕が池波正太郎に嵌まったのは「梅安シリーズ」からですが、この「真田太平記」は池波正太郎が気力も体力も充実した時期に、長年温めて来た題材を9年間に渉り連載しただけあって、実に読み応えのある物語。文庫本12巻の長編ですが、破綻がないし、前後の辻褄がピタッと合っているのは流石です。
過去に何回読み直したかは忘れましたが、昨年の年末に再び読みたくなって活字が大きくなった改訂版を求めてしまいました。それというのも、この「真田太平記」を読むのはベッドの中で就寝前にと決めていたので、以前の小さな活字ではさすがにしんどかったのですよ。
未だに老眼にはならないものの、小さな活字だと直ぐに目が疲れてしまうので…。
30代から読んでますが、やはり60代半ばで読むと以前とは違うところに気付くというか、年寄りの感情が分かるようになったというか、以前とは違う楽しみ方が出来ました。
それにしても、この本のおかげで知った「小野お通」という女性は、当時のスーパーレディというか、実に多方面に才能を発揮した女性ですね。
この人の「お通流」とまで言われた「書」というのも素晴らしいものです。
実は、彼女の研究書というのを持っていたのですが、「書」を見たいからと言われて貸したまま…。それも、一緒に仕事をしていた有名なコピーライターに貸したことまでは憶えているのですが、それが誰だったかを忘れてしまったんですよね。
その頃は、結構仕事ごとに有名コピーライターと組むのを楽しんでいたもんで…。

やっぱり「真田太平記」_e0171821_14215819.jpgまぁ、そんな訳で、寝る前のひとときにだけ読んでいたので、全巻読み終わるまで4ヶ月ほどかかってしまいました。
そして、「真田太平記」を読み終わると、その続編とでもいうべき「獅子」まで読まないと終わらないのですよ。
これは「真田太平記」が上田から松代に国替えとなって真田信之が上田を去っている場面で終わるのですが、「獅子」は松代で隠居をした真田信之が主人公。
しかも、当時としては破格の90歳という年齢での事件です。
家康に可愛がられ、2代将軍秀忠には疎まれた信幸も、3代将軍家光・4代将軍家綱の頃には幕府草創期を知る大名として尊敬されていたのですが、藩主に据えた次男・信政の急死、そして幕府には届けていなかった庶子の相続問題で老中・酒井忠清との暗闘をテーマにしたのが「獅子」。
「信濃の獅子」と称えられた信之の老いても衰えない知力を振り絞っての闘いが見事です。

見事に領国を守り抜いた信之の後は、松代真田家は明治維新まで続きます。
by dairoku126 | 2013-04-27 14:47 | | Comments(0)


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