90yrs.

e0171821_17122567.jpgトゥーツ・シールマンスの90歳の誕生日を記念して発売されたアルバムです。
実際に収録された演奏は、2007年から昨年までの録音から選ばれているようですが、一緒に付いていたDVDは昨年の東京でのコンサートを収録したもの。
…ということは、89歳での演奏となるのでしょうが、まだまだ健在ぶりを発揮してくれているのが嬉しいですね。

伴奏は、ここのところ一緒に活動しているカレル・ボエリーのトリオをバックにしたヨーロピアン・カルテット。
さすがに全盛期のようにバリバリと吹く訳ではありませんが、少ない音数でも心温まる音楽にしてしまうのは、さすがです。ハーモニカというのは心肺機能に負担がかかる楽器なのに、90歳にして未だ現役というのは驚くべきことです。

トゥーツについては、想い出すだけで思わずニッコリとなるような記憶があります。
僕がAurex Jazz Festivalの仕事をしていた時に、ジャコ・パストリアスと撮影打ち合わせに宿泊先に出向いた時のこと。
ミュージシャンの宿泊場所となっていた京王プラザホテルに出向いたところ、まだジャコが到着して居ないとのことでロビーで待っていると、先に着いていたトゥーツがフラリとロビーに現れました。彼も息子のように可愛がっていたジャコを迎えに出てきた様子。
手持ちぶさたのようにロビーを見回していましたが、誰かと待ち合わせをしていた若い女性を見かけると、コッソリと後ろから忍び寄りながらポケットからハーモニカを取り出して、小さな音で彼の代表曲「Bluesette」を吹き出したのです。
女性がビックリして振り向くと、嬉しそうにニッコリと微笑みかけて彼女の座って居たソファに座りながら曲の最後まで吹いていました。
その時にバスが到着してジャコが入ってくると、立ち上がって迎えに出ました。
ジャコの方も会えたのが嬉しかったのか、すぐにロビーに置いてあったピアノに座り、いきなりトゥーツとセッションが始まったのです。もう、ロビーに居た人達はビックリ!
こんな贅沢な瞬間に立ち会えたのですから…。

無粋にもホテルのマネジャーかなんかが飛んできて、止めさせようとした時には非難囂々。
空気を読んだトゥーツが、すぐにエンディングに持って行って、一期一会のようなライブは終わりになりましたが…。
おかげで気難しいと評判だったジャコの打ち合わせも、彼の気分がウキウキしていたせいでスンナリと終えることができました。

こちらは、「90yrs.」の中から僕の大好きなジョビンの「Wave」を…。  
  
[PR]
by dairoku126 | 2012-07-08 17:56 | 音楽 | Comments(0)


<< 夏のような、日差しが…。 季節の、到来物。 >>