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ホルンで、ジャズ。

ホルンで、ジャズ。_e0171821_17273436.jpgバリバリのクラシック・ホルン奏者がジャズを演奏するというのも滅多にないことですが、ジョージ・シアリングとバリー・タックウェルの共演による「PLAY THE MUSIC OF COLE PORTER」は、その滅多にない顔合わせの1枚。
タイトルが示すように、コール・ポーターの曲を集めたアルバムです。

ライナーノーツを読むと、シアリングが1984年の夏にザルツブルグの音楽祭で、タックウェルがモーツァルトのホルン協奏曲を演奏するのを聴いて感銘を受けたのが、そもそもの始まりのようです。翌85年の夏にロンドン・フィルとのポップス・コンサートにゲスト出演したシアリングが、奇しくも同じ夜に出演予定のタックウェルの控え室を訪ね、アンコールがあったら一緒に演ろうと提案し、ジェローム・カーンの「Long Ago and Far Away」を無事に演り遂げたとか。その数日後、タックウェルのロンドンの家に夕食に招かれたシアリングがソファに寛ぐと、二人とも同時に出た言葉は、「アルバムを制作しようよ」。
てな訳で、出来上がったアルバムですが、実験好きなシアリングらしい試みが成功してます。

コール・ポーターのメロディの美しさが、ホルンという楽器で引き立てられているんですね。
構成はカルテット(グラディ・テイトのドラムス、ジョン・クレイトンorドン・トンプソンのベース)であったり、オーケストラがバックであったりと曲によって変わりますが、なかなかに心地よい響き。ホルンがアドリブを吹いているところは、きっと書き譜なんでしょうが、実に自然で美しい展開になっています。ジャケットのデザインも、なかなか!
シアリングが、タックウェルのホルンの音色に惚れ込んだのが、良く分かります。


by dairoku126 | 2011-04-09 18:23 | 音楽 | Comments(0)


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