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Wikileaks

Wikileaksによるアメリカ外交公電流出事件は、高レベルの極秘文書(いわゆるトップ・シークレット=機密文書は含まれていない)や各国要人に対する言及など波紋を呼んでいます。
北朝鮮の金正日総書記に対し「肉のたるんだ老人。脳卒中の結果、精神的にも肉体的にもトラウマを負った」と評していたり、ロシアについては「バットマンがプーチンでメドベージェフは相棒ロビン」「事実上のマフィア国家」「企業の犬」などとアメリカの駐露大使が発言。
プーチンが激怒したとか。
残念ながら、ここでも日本はすでに埋没したらしく、相手にされてない様子。
麻生元首相が2009年4月に訪中した際に「温家宝首相は経済危機の対応で疲れていた」と関係者に発言したなんてのはありましたが…。
まぁ、ネット社会になってハッキング技術や匿名者からの投稿など、情報の機密性を保つのが昔に比べて難しくなって来たということでしょう。
そもそも極秘情報を手に入れるためには、映画にもなった有名なウォーターゲート事件の時には、”ディープスロート”という内部情報提供者がいたり、その前であれば僕たちの世代にとっては「スパイ大作戦」(映画では「MI(ミッションインポッシブル)」)のように潜入して極秘情報を探るというリスクを冒さなくては情報を手に入れることは不可能でした。Wikileaks_e0171821_151276.jpg
元禄時代に出版された幕府隠密による機密報告書とされる『土芥寇讐記(どかいこうしゅうき)』という本がさしずめ江戸時代のWikileaks。幕府隠密が探り出した江戸時代の殿様の生活実態を描いた本です。
それを分かりやすく解説したものが「殿様の通信簿」という本。
水戸黄門、浅野内匠頭、前田利家・利常、池田綱政などを例に、政治に如何に関与していたか、側室や子供の数などを解説。
他の史料を交えて、藩主の生活の中身を詳細に検討した史伝文学です。
作者は、先月書いた「龍馬史」の作者・磯田道史氏。
名君の誉れ高い水戸の黄門様は、じつは悪所通いをしていたと記され、あの赤穂事件の浅野内匠頭は、元祖ひきこもり。それも女色に耽るひきこもりで、事件前から家を滅ぼすと予言されていたり、池田綱雅のように手当たり次第に女性に手を出して子供を70人も作ったりと、隠密が探り出した情報が暴露されています。
いや、文章は巧みだし、新しい発見に溢れていて、実に面白い本でした。
by dairoku126 | 2010-12-06 15:13 | 文化 | Comments(0)


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