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JASMINE

JASMINE_e0171821_1171467.jpgキース・ジャレットチャーリー・ヘイデンが30年ぶりに顔を合わせたラブ・ソング集「JASMINE」
今年の5月に発売になったのですが、選曲の面白さにAmazoneのお世話になってしまいました。
「For All We Know」とか「Body and Soul」「Good Bye」なんて曲は、まぁ当然のことでしょうが、2曲目の「Where Can I Go Without You」は、ペギー・リーが作詞した曲。
ペギー・リーの「Mink Jazz」とか「There’ll Be Another Spring/Peggy Lee Songbook」などで聴くことは出来ますが、他の人が演奏しているのを聴くのは始めて。最後の「Don't Ever Leave Me」もペギー・リーがジョージ・シアリングと一緒に演った「Beaty & The Beat」のボーナストラック(オリジナル・アナログ盤にはなし)に入っている曲ですが、これもまた他で聴いた覚えがない曲。
他にもジョー・サンプルの「One Day I'll Fly Away」とか、今月の初めに書いたAlice Ricciardiが歌っている「I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life」(この曲で、Alice=弘田三枝子説に確信が持てました)なんて曲まで…。ね、不思議な選曲でしよう。
キースが書いているライナー・ノーツによれば、このDuoは、2007年にキース・ジャレットのスタジオで収録されたらしい。リハーサルは、ほとんどやらずに(コード合わせだけをやったと書いてありました)ぶっつけ本番に近いカタチで収録していったとのこと。
キースは、アメリカン・スタインウェイのピアノを弾いています。「いかにもスタジオで録音しました、という音にはしたくなかったし、自分たちが演奏している時に聞こえてくる音にしたかったので、ドライな音に録れる自分の小さなスタジオにした」そうです。
その時に演奏したテープを、じっくりと聞き込んで、長すぎるものやコンセプトに合わないものを外して、1枚のアルバムに仕上げたとのこと。
ということなので、未発表のテークが沢山ありそうですね。
二人が一緒に演奏するのは1970年代のキースの「アメリカン・カルテット」以来とのことですが、30年のブランクを微塵も感じさせないコンビネーションです。
また、キースもいつものスタンダード・トリオとは別人のような演奏スタイルで、音数も少なく、むしろ一つの音を噛みしめるように訥々と弾いています。
そこが、チャーリー・ヘイデンの朴訥なスタイルと非常にマッチしているのでしょう。
タイトルの「JASMINE」は、夜に咲く、香りの強い花にちなんで。この演奏は、夜中に愛する人と一緒に聴いて欲しい(できれば良いオーディオ装置で)とキースは書いています。
とにかく、キースのピアニシモが美しい!できれば、アナログ盤で聴きたいくらいです。
by dairoku126 | 2010-07-25 11:55 | 音楽 | Comments(0)


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