人気ブログランキング | 話題のタグを見る

校倉造り

今朝、新聞を読んでいたら正倉院におさめられた薬物が原料まで含め、すべて解明されたとの記事が出ていました。しかも、約1,200年以上も前に建てられた正倉院に眠っていた薬には、まだ薬効成分が残っているものもあり、あらためて校倉造りという日本で生まれた建築様式の素晴らしさに驚かされました。
さらに、凄いのは薬についての文書がちゃんと残っていること。記事によれば、『正倉院の収蔵品には美術品とともに60種類の薬物が含まれていた。それらは「種々薬帳(しゅじゅやくちょう)」と呼ばれる書面に、数量とともに記されていた。巻末には、当時の政治の中枢にいた藤原仲麻呂の署名もある。』
日本の官僚の文書主義というのは、連綿と続けられてきたのですね。1,300年近くも…。
薬の中には、遣唐使や鑑真和尚によって、唐からもたらされたものもあるそうで、産地は中国(唐)だけでなく、シルクロードを越えた西域やアラビア、マレー半島など南方まで幅広いとのこと。世界史的に見ても、中国の墓から薬物が発掘された例はあるが、正倉院のような建物に、詳細な記録とともに長期間保存された例は世界でもまれなことだそうです。
面白い(?)のは、薬と並んで毒物もちゃんとあること。また、毒物の減り方が激しいというのも、分かったそうです。聖武天皇の死後に、権力闘争が激しくなり、どのように使われたか想像に難くない…と研究者も語っているようです。おお、コワ!
by dairoku126 | 2010-07-20 13:57 | 文化 | Comments(0)


<< Canoe & Jazz 今年も、土用干し。 >>