ホクレア号の航海に先立ち、ハワイでは失われていた航海技術「スター・ナヴィゲーション」をナイノア・トンプソンに伝授したミクロネシア・サタワル島の伝統航海士
マウ・ピアイルグが亡くなったそうです。
ポリネシア航海協会(PVS)のHPでも、
最新ニュースとして哀悼の意を表しています。
彼がいなければ、ホクレアをはじめとするハワイのカヌー・ルネッサンスは成立し得なかったでしょうし、ハワイ人の誇りやハワイ語などのハワイ文化の復興も今ほどの力を得なかったことでしょう。
愛弟子であるナイノア・トンプソンのメッセージは
内野加奈子さんのブログに載せられています。また、内野さんからメッセージを託された
west2723氏のブログにも…。
僕は、直接にマウ氏に会ったことはありませんが、龍村仁さんがスター・ナヴィゲーションを描いた「地球交響曲第3番」や石川直樹君の著書「全ての装備を知恵に置き換えること」、またホクレア号が日本航海の途中にサタワル島に行き、ナイノアをはじめホクレア号のナヴィゲーターたちがマウ氏から伝統航海士を授けられた儀式を納めたNick加藤氏のドキュメンタリーで、彼の偉大さや人柄は知っています。ですから、直接に謦咳に接した人にとっては、たまらなく淋しいことだということも分かります。
遠い過去から伝えられてきた伝統航海技術を現代に繋ぐためには、彼はなくてはならない存在でした。ホクレア号というカヌーを一つの生命体として、海に浮かべるために生まれて来たと言っても過言ではないでしょう。サタワル島というミクロネシアの誰も知らないような島で生まれ育って、ホクレア号プロジェクトがなければ世界中から哀悼の意を表されることもなく、静かな人生を生き続けたであろうマウ氏の人生を考えると不思議な感じがします。
でも、彼がナイノアに託した「ナヴィゲーターの技と魂」がハワイ大学の教育プログラムとして体系づけられ、内野加奈子さんの世代や、さらに若い
内田君のお嬢さん・サキちゃん達の世代にまで受け継がれていることを考えると、彼の生きてきたことの意味は計り知れないほど大きいものだと言えるのでは無いでしょうか。
合掌!
<追加>
Twitterに
ナイノアのコメントを載せたページが出てきたので…。内容は、内野加奈子さんが和訳したものと同じですが、こちらにはサタワル島での動画を見ることが出来ます。