エミリー・レムラー

e0171821_130382.jpgジャズ・ギタリストとしては、あまり聞き慣れない名前かもしれませんが…。
彼女は、20年前に32歳の若さで夭逝した素晴らしい女性ジャズ・ギタリストです。彼女の名前を初めて知ったのはデヴィッド・ベノワがビル・エヴァンスに捧げた「Waiting for Spring」というアルバム。
その中で「Turn out the stars」というジム・ホールとエヴァンスのDuoによる名演で知られる曲を、見事に演奏しているのを聴いて惚れ込んでしまいました。
エミリー・レムラーは、1957年にN.Y.で生まれ、10歳からギターを弾き始め、最初はハードロックなどをやっていたらしいのですが、16歳の時にバークリー音楽院で本格的にジャズを勉強しはじめ、ウェス・モンゴメリー、マイルス・ディヴィス、ジョン・コルトレーンなどを聴いて、ジャズにのめり込んで行きました。卒業後は、ニューオーリンズなどでバンド活動をしていたようですが、78年にコンコード・ジャズフェスティバルのオーディションでハーブ・エリスに見いだされ、その年に最初の出演。そして、81年にコンコード・レーベルから最初のリーダー・アルバム「FIREFLY」を出しています。
また、この年にはジャマイカ出身のジャズ・ピアニストのモンティ・アレキサンダーと結婚しています。(ただし、84年に離婚)
以後は、ほぼ毎年1枚のペースでリーダー・アルバムを出していますが、一作ごとに彼女の進歩が分かるほどの出来です。85年にはラリー・コリエルとのDuo「Together」が出て、ダウンビート誌の‘ Guitarist Of The Year’ を獲得しています。
ウェス・モンゴメリーの影響を受けたオクターブ奏法もさることながら、シングル・トーンの伸びやかなフレージングがアドリブでは光ります。それと、選曲が良いのですね。
また、卓越したテクニックの持ち主でもありギターの教則DVDが幾つか出ています。
(10代の頃に、超絶技巧で知られるパット・マルティーノのところにギターを教わりに行った時に、あまりの凄さにパットがブッ飛んだというエピソードが残っています。)
その後は、10年間に6枚のリーダー・アルバムが、コンコード・レーベルから出ていますが、社長のカール・ジェファーソンの秘蔵娘だったらしく、サイドを勤めているのは名のあるベテラン陣が多いのです。彼女の方も、臆せずに堂々と渡り合うプレイ振りなのが素晴らしい。
現在のところ、彼女のCD(リーダー6枚、コンピレーション2枚)の中でAmazonなどで容易に手に入るモノが3枚。それ以外は絶版になっていて、とんでもない値段がついています。
レイ・ブラウンのライブにゲスト出演したLive盤や、ローズマリー・クルーニーとのコラボもあるのですが、これも絶版。
オマケとも言えるのが、ハーブ・エリスやデヴィッド・ベノワなどが集まって制作した「Just Friends - A Gathering in Tribute to Emily Remler- Volume 1&2」という彼女への追悼盤があります。
*彼女の詳しいことが知りたかったら、こちらへ。
*You Tubeに彼女の演奏が幾つかありますが、僕はこの曲が好きです。

    
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by dairoku126 | 2010-02-10 14:05 | 音楽 | Comments(2)
Commented by matsu-honu at 2010-02-12 15:38 x
初めて知りました。女流ジャズギタリスト自体が珍しいですものね。HOW INSENSITIVEも佳演だと思います。
ギターはGibsonのES-335かと思ったらES-330なんですね。フルアコに比べて女性には取り回し易いのでしょう。
因みに僕はJohnny Smithなどとても好きです。
Commented by dairoku126 at 2010-02-13 09:36 x
matsu-honuさま
そうなんです。珍しいでしょ。彼女が女性ジャズギタリストの草分け的な役割を果たして、あっという間に天国に逝ってしましました。
考えてみれば、クラシックなどでは、女性のギタリスト自体は多いのでギターという楽器は女性だからというハンディはそれほど無いのですよね。ギブソンの後は、ラリー・コリエルの影響なのでしょう、オヴェーションとの契約もあったようです。
ちなみに、僕はギブソンのハーブ・エリス・モデルを使っています。


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