昨夜、横浜のモーション・ブルーにロバータ・ガンバリーニを聴きに行った。前から気にはなっていた歌手だけど、エラ・フィッツジェラルドやカーメン・マクレェの再来という広告コピーが何となく嘘くさくて、敬遠していた女性ヴォーカリストでもある。デビュー・アルバムがスウィング・ジャーナルのゴールドディスク大賞に選ばれたというのも、「?」な感じ。
ただ、バックを勤めるピアノ・トリオのメンバーにジェイク・ハナが入っているではないか!という理由で足を運んだ。同行したのは、一緒にバンドをやっている面々。ドラムのO君の希望で座った席は、モーション・ブルーで最後に遅刻してきた客が席がなくて座る場所・すなわちステージの真横というかPAより後ろの席。その代わり、ドラムが斜め後ろから良く見える位置に陣取った。まだ、良い席も空いている時間だったから、案内してくれた場内係も「ホントにここで良いの?後で文句を言っても知らないよ」てな怪訝そうな顔をしていた。 いよいよ、ステージが始まりガンバリーニ登場!ステージに上がるやいなや、そのままアカペラで歌い出した。曲は「Easy to love」。半コーラスほど歌ったところで、ベースが入る。 音程バッチリ!絶対音感の持ち主か?普通、こういう入り方をするときには、客席には聞こえない程度にピアノが音を出したりするもんだけど、それもなし。リズム感も良く、スキャットも上手い。2曲目は「In your own sweet way」シブイ曲を選ぶもんだ。3曲目は「Body and soul」と分かりやすいスタンダード曲のオンパレード。そのまま、一気呵成に歌い上げていく。歌唱力もなかなかのもんだ。最後の方で「On the sunny side of the street」なんてベタなスタンダードを歌う時には、そのままストレートにメロディを歌うのではなく、わざわざ1958年のセッションでディジー・ガレスピーが演奏したフレーズをヴォーカライズして歌って見せた。なかなか、やるじゃん!絶対音感で、リズム感が良く、それなりにJazzyにソツなく、文句のつけようがないくらい上手い!でも、エラやカーメンというところには、次元が違うというか、届かないなぁ。最近の女性Jazzヴォーカリストに特有の傾向なのかしら? ジェーン・モンハイト然り、ソフィア・ミルマン然り、キャロル・ウェルスマン然り、ロヴィーサ然り、いわんやノラ・ジョーンズにいたってはJazzじゃないでしょ、カントリーでしょ。みんな、ホントに歌は上手いし、リズム感も良く、しかも容姿端麗! しかし、はっきり言ってショックを感じませんでした。なんかBGMっぽいんだよね。 これって、致命的な気もするし、こんなに拍手して良いのかという気にさえなってしまう。 ダイアナ・クラールがデビューした時、やKeiko Leeを初めて名古屋のLovelyで聞いた時とは大違い!でも、結構受けてましたね。 お目当てのレジェンド、ジェイク・ハナはオールド・スクールのドラミングをこれでもかと披露してくれました。終わって、ドラムセットから立ち上がるでさえ「ヨッコイショ!」と言ってから、さらに間があるというくらいの大ベテラン。1953年に秋吉敏子さんがデビューアルバムをオスカー・ピーターソンの肝煎りにより東京で録音した時に、すでにレイ・ブラウン、ハーブ・エリスらと一緒に参加している。1931年生まれだから、今年78歳となる。数々の大物ミュージシャンと共演し、もはや恐いモノなしの境地だろう。リズムもテキトーにサボっているのだが、決め所はシンプルにパシッと決める。しかもカッコ良い!片手のシンバル・レガートだけでスウィングさせてくれる。その間、片手は遊んでたりして…。 あと、ベースのニール・スェンソンも聞き所満載のベースでした。
by dairoku126
| 2009-04-21 20:34
| 音楽
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Comments(2)
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by
小橋健太郎
at 2012-10-16 15:30
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僕は近年まれに見るジャズシンガーだと思います。音程の良さは誰にも真似できない。安心して聞いていられます。
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dairoku126 at 2012-10-17 16:11
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